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マッケンジーの止め方は知っている。リーチ マイケル、チーフスに「勝算あり」。

2018.03.24
チーフス戦への準備を振り返り、「田村が引っ張ってくれた」。(撮影/松本かおり)
 わくわくしているのはファンだけではない。リーチ マイケルも同じだ。
 3月24日に今季5戦目を戦うサンウルブズ。その試合に6番で先発するリーチは、昨年まで3シーズン在籍したチーフスとの対戦が楽しみだ。
 試合前日の練習後、チームの状態を「いい感じで緊張している」と話した。
「今週はジェイミー(ジョセフ ヘッドコーチ)が興奮していて(笑)、すべての練習がフィジカルでした。いい準備ができた」
 自身の心のたかぶりを尋ねられると、「興奮するのは明日」と言った。
 チーフスに在籍した3季で34試合出場と、レギュラーとして活躍した。レベルの高いチームで試合に出続けることが、自分をもっとも進化させ、それがジャパンや東芝のためになると考えた。
 今回の試合への出場が決まった日、以前からの憧れだったチームでプレーして得た体感を、「チーフスはどんな困難な場面でも粘って前に出るチームです。とても強い」と話した。試合前日も「強いチーフスと戦える。楽しみです。ファンは、生のチーフスを見られる。楽しい試合になる」と、古巣をリスペクトする気持ちを何度も口にした。
 ただ、勝負では自分たちが勝つ気だ。
「個人の能力が高い」と認めつつ、「スクラムに難あり」と見る。それは自分の知識であり、分析の結果。そこへの対応はチームに伝えた。FW全体で崩しにかかる。
 204センチのブロディー・レタリックを擁す相手に対して、ラインアウトでも対策を練った。「心理戦」と表現した空中のボール争奪戦では、「どこにスペースがあるか、どこでコールすべきか、準備してきました」。自分たちのプランを遂行する。
 開幕戦のクルセイダース戦こそ落としたものの、ブルーズ、ブルズを倒し、のぼり調子にあるチーフス。ゲームメーカーのSOダミアン・マッケンジーを自由に動かすと面倒なことになるが、「FW3列だけでなく、チーム全体で意識していく」と言う。
「ラインスピードを上げてプレッシャーをかけたい。(2017年のブリティッシュ&アイリッシュ)ライオンズがマオリ・オールブラックス戦で(SOでプレーしたマッケンジーへ)見せたディフェンスは参考になった。そういうとき、彼は自分で何かしようとする。クイックなので、そこを全員で止めたいですね」
 試合を重ね、ディフェンスの細かいところも連係が取れてきた手応えもある。キャプテンを務める同じFLサム・ケインに対しては、「タックルが強いので、一度当ててみる」と話した。
 経験値の高いHO堀江翔太やSH田中史朗、SO田村優が先発に名を連ねたことで、周囲の選手たちが安心しているように感じるという。相手をよく知るリーチの存在も、同じように、仲間を勇気づけているはずだ。
 レベルズ戦後、「次のホームゲームではファンにもっと喜んでもらえるように勝ちたい」と言った。
 ファンもチームも勝利に飢えている。
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