レフリーに不満を募らせたスペイン(黄色ジャージー)。
大一番で自分たちをコントロールできなかった(Photo: Getty Images)
スペイン代表が20年ぶり2回目となるラグビーワールドカップ出場に王手をかけながら、過去15試合戦って一度しか負けたことがなかったベルギー代表を相手に、痛恨の敗北を喫し、手にしかけていた切符を逃した。
3月18日にブリュッセルでおこなわれたヨーロッパ地区最終予選。スペインは10−18で敗れ、6勝2敗(総勝点26)となり、先に6勝2敗(総勝点29)で戦いを終えていたルーマニア代表の1位が確定。“オークス”の愛称で知られる東欧チームの、9大会連続のワールドカップ出場が決まった。
ルーマニアは本大会で、日本、アイルランド、スコットランド、そしてヨーロッパ・オセアニア地区プレーオフ勝利チームと一緒のプールAに入ることとなり、2019年9月20日に東京スタジアムでおこなわれる開幕戦でホスト国の日本とぶつかる。
スペインは、勝てば1999年大会以来となる悲願達成だった。
資金難で苦しんだ時期があった。しかし協会の体制が変わって若い世代の強化に力を入れるようになり、2016年には、U20代表がワールドラグビーU20トロフィーに初出場ながら決勝進出の快挙を遂げ、7人制代表が男女そろってリオ五輪に出場し、サッカーが盛んな国でラグビーの注目度は高まった。
2月10日におこなわれた今年最初の予選試合、ロシアの地で16年ぶりの勝利を収め勢いづき、一週間後、地元マドリードの会場に集まった1万5000人の前で6年ぶりにルーマニアを下した。そして先週、フェリペ6世・スペイン国王と大観衆が声援を送るなかドイツに大勝し、2019年のワールドカップ出場に王手をかけていた。
しかし、切符がかかったベルギー戦は、硬さもあったか、前半を0−12で折り返す。後半早々、PGチャンスだったがポストほぼ正面のショットが決まらない。反則、エラーが続き、レフリーとの相性も悪く、波に乗れなかった。
15点ビハインドで迎えた70分(後半30分)、ラインアウトからモールで押し込み7点を入れ、76分にはPG成功で5点差とした。
しかし、リスタート後まもなく、スペインに反則があり、ベルギーがPGを決めて8点差がつき勝負あり。ベルギーの奮闘もドラマに大きな影響を与えた。
スペインはまだ2019年ワールドカップ出場の望みは残っており、ヨーロッパ予選のラウンド4ファイナルを制したポルトガルとプレーオフを戦う。そして、その勝者がサモア(オセアニア予選3位)とのプレーオフに臨み、日本行きへの切符を争うこととなる。ヨーロッパ・オセアニア地区プレーオフ(スペインまたはポルトガル vs サモア)で負けたチームは、各地域からの4チームが参加する敗者復活最終予選でラスト1枚の切符をかけて戦う。