全国高校選抜大会への出場が懸かる第18回関東高校新人大会は、大会最終日となる2月18日、埼玉・熊谷ラグビー場Bグラウンドで決勝戦をおこない、桐蔭学園(神奈川)が流経大柏(千葉)を24−12で下して大会連覇を決めた。
タッチフラッグがしなるほどの強風の中、前半風下に立った桐蔭学園は、序盤にペナルティから速攻をしかけて敵陣22メートル内に侵入。新キャプテン・SH小西泰聖(2年)のパスさばきからフェイズを重ね、前半3分、最後はHO紀伊遼平(2年)がステップで切れ込み右中間に先制トライ。SO津田貫汰(2年)のゴールも決まり、7点を先制した。
立ち上がりに苦しむ流経大柏は、前半6分、桐蔭学園のCTB江川剛人(2年)にスクラムからの一次攻撃で約60メートルの独走トライ(ゴール)を許し、14点を追いかける展開となった。
苦しいスタートとなった流経大柏だが、前半15分、FL當眞真(2年)らがブレイクダウンでファイトして反則を誘発。密集での攻防で圧力をかけ続け、桐蔭学園にトライチャンスでのノックオンが増えたこともあり、スコアは動かず桐蔭学園の14点リードのまま後半へ。
流経大柏は後半4分、自陣ゴール前でのハンドリングエラーから、運動量豊富な桐蔭学園のLO今野勇久(2年)に3トライ目を奪われ、同13分には長い連続攻撃のすえにエリア大外からインゴールをこじ開けられ、スコアはこの日最大の24点差(0−24)に。
しかし後半16分、流経大柏はFB金澤春樹(2年)がディフェンダーを弾きながらゴール前へ迫ると、一時は攻撃権を失ったものの、同17分、相手ゴール前でのキックを途中出場の白川竜士(2年)がチャージ。こぼれ球を野澤伴丞(2年)がグラウンディングし、7点を返した。
流経大柏のコンタクト局面での攻防は激しかった。後半終了間際には、白川(2年)のジャッカルでペナルティを奪うと、速攻からの右展開でCTB土居大吾(2年)が突進。片手一本のオフロードパスを受けたFB金澤が抜け出し、ディフェンダーを振り切りHポール下を奪った。
後半に追い上げた流経大柏だったが、スコアは24−12で決着。大会2連覇を決めた桐蔭学園だったが、指揮官の藤原秀之監督は「けっこうターンオーバーされました。課題が浮き彫りですね」と厳しい表情を崩さなかった。
一方、準優勝校として大会を終えた流経大柏の相亮太監督は、「(後半は)狙い通りだったかなと。花園を経験している選手が例年より多いのですが、花園でも勝ち切るというところまではできなかったので、勝ち切るために取るところは取る。ここでしょうね」と収穫と課題を語っていた。
(文:多羅正崇)
表彰式。春は全国高校選抜大会に挑むこととなる桐蔭学園と流経大柏(撮影:多羅正崇)