ラグビーリパブリック

【ラグビー&ブリスベン! vol.3】スタジアム向かいのクラフトビールに、大感激。

2018.02.15

「テイスティング・サービス(1パイント程度の料金)もあります」とオーナーのマイケルさん

 2月9日、10日開催の10人制国際大会『ブリスベン・グローバル・テンズ』。このミニ連載では、ラグビー以外にも、さまざまな体験ができる開催地・ブリスベン(クイーンズランド州)の魅力を紹介する。
 最後の体験は、サンコープスタジアムの隣の敷地にて。昨年オープンしたばかりのブリュワリーが、できたてのビールを冷やして待っている。
『ニューステッド・ブリューワリー/ミルトン工場』Newstead at Milton
●営業時間:朝10時から深夜まで(祝祭日を除く)
●料金:11オーストラリアドル〜(900円~/1パイント)
●スタジアム横でテンションUP度100% クラフトビールのバリエーションが楽しい度100% お店もパッケージもデザインがお洒落度100% ビール工場の見学で納得度90% とにかくビールがうまい度 100%
サンコープスタジアムとは通りを挟んで向かい側
 ラグビーはビールに似ている、と誰かが言った。そこへ行けば、その意味がより喉にしみること請け合いの一軒がブリスベンにはある。シティから電車かタクシーで15分、サンコープスタジアムの正面入り口に向かって右側のキャッスルメイン・ストリートをスタジアムに沿って進むと、大きな『Newstead』のロゴが見えてくる。
 まさにスタジアムとは目と鼻の先。1年前にオープンした『ニューステッド・ブリューワリー/ミルトン工場』は、文字通りビール工場の隣で商品を飲ませる、ビールファンいやラグビーファン垂涎の「スタ近」バーだ。
 スタジアムの歓声がそのまま届く近さで、広々とした空間に大きなビジョン(2台)が据えられた完璧な環境。『ブリスベン・グローバル・テンズ』1日目の夜は、ひいきチームの応援を終えたファンたちが、続くプール戦をライブで楽しんでいた。
 個室のパーティールームまで備え、バーとして至れり尽くせりの設備の上、デザインがお洒落。店内は工場のテイストの延長で吹き抜けになっており、6種類のオリジナル・クラフトビールに与えられたテーマカラーが、店内装飾やコースター、缶製品(国内で市販。店内では生で飲める)のパッケージにも統一されている。
 さらに、申し込みをすれば工場見学もできる体験つき。原料麦の香ばしい匂いが立ち込める工場スペースでは、作りたてのビールを樽(金属です)で冷やす冷蔵室まで、かんたんに製造工程を見せてくれる(解説の詳しさの度合いは、スタッフの業務状況による)。
 オーナーのマイケル・コンラッドさんがこのブリュワリーの経営を始めたのは5年ほど前。シティに1号店を建て、市販商品を含めて事業を拡大し、1年前にこのミルトン店をオープンした。クラフトビールそのものは、クイーンズランド州内に60ほどのブランドがあり、新しいものでもない。近年になってクラフトビールが盛んに飲まれるようになったのだという。ニューステッドはその流れを作ったブランドの一つだ。
「オーストラリアの消費者では少し前まで、3つのビールしか飲んでいませんでした。フォーエックスとキリンとアサヒ。大企業のものばかり」(マイケルさん)
「XXXX」のフォーエックスロゴを見たことのあるラグビーファンも多いだろう。
「私が流れを変えたのではなく、変わったのはお客さんの方なんです。みんな少しずつ、各地のクラフトビールを飲むようになってきた」
 
 自身はそう謙遜するが、実はこの方、かつて国内で高級レストラン2つ(『Restaurant2』『Two Small Rooms』)を手がけた経営者。自社のクラフトビールを広めるために、まずバーの雰囲気を変えた。どちらかというとやんちゃな方々が集い、酔っぱらっていた従来のバーとは一線を画した。ちょいお洒落に、和やかにビールを楽しむ空間を、『ニューステッド』のブランドとともに提供。実際に、このブリュワリーのビールは少しだけ料金設定が高めだ(そして、値段のぶん美味しい)。
「みんなが同じものを飲まなくてもいいじゃないですか、ね?」
 ちらりとロックな魂も垣間見せるオーナーは、自社商品の中にも6種のビールを展開。6色のビールにはそれぞれ、この地にちなんだストーリーがあるという。
「6つとも、すべて本当の話です。ほとんど、ね」とオーナーがまた笑う。
 色とりどりの個性が集うブリュワリーは、やはりラグビーに似ている。
ブリスベン/クイーンズランド州観光の詳細は、クイーンズランド州政府観光局公式サイトへ→ https://www.queensland.com/ja-jp
「ブリスベン・グローバル・テンズ」大会公式HP→ http://brisbaneglobaltens.com/

夜になるとこの雰囲気。隣の建物の壁に思いきり映写しているが、これ実はラグビーリーグ連盟(13人制)のビル

店内にもスポーツ中継を流す大型ビジョンが

左からアンバー、ペールエール、ポーター(黒)の1/2パイント。よい色

工場内の模様。ビール以外の酒も作っている。下は個室スペース
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