シドニーセブンズに出場するサクラセブンズの中村知春主将(左端)。
同組のアメリカ、NZ、イングランドの主将たちと。(撮影/出村謙知)
1月26日からシドニーセブンズ(HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ2017-2018 第2戦 オーストラリア大会)が始まる。
日本からは、この大会に女子セブンズ日本代表(サクラセブンズ)が出場する。同代表は昨年11月30日、12月1日におこなわれたドバイ大会に出場し、2017-2018年シリーズのスタートを切っている。その大会では5戦全敗に終わっているだけに、シドニーでは勝利を挙げ、前進したい。
女子セブンズ・ディベロップメントスコッド(SDS)はフィジーでの大会(コーラルコーストセブンズ)に出場し、男子SDSは和歌山での合宿に入った。日本のセブンズはすでに動き出しているが、今回のサクラセブンズのシドニーでの戦いが世界レベルでの2018年のスタートとなる。
今年のセブンズ代表の動きについて、岩渕健輔(Team Japan 2020)男女7人制日本代表総監督に訊いた。
2018年のスケジュールで言えば、1月から女子が活発だ。
前述のように、セブンズ・ディベロップメントスコッド(SDS)がフィジーで開催されたコーラルコーストセブンズに参加(カップトーナメント準決勝に進出)。そしてサクラセブンズが、アメリカ、ニュージーランド、イングランドと同組に入ったシドニーセブンズが1月26日から28日までおこなわれる。
岩渕総監督は言う。
「シドニーの大会では、ドバイ大会(第1戦)の反省から、タックルやブレイクダウンに注力してきた成果を出したいですね。攻守ともに我慢しないと勝てない」
サクラセブンズは昨年12月、ラグビー・ユニオンとリーグの両方で女子豪州代表になった実績を持つルアン・シムス氏をスポットコーチに招聘し、トレーニングを積んだ。特にタックルに特化した指導を受けた成果を示したい。
シドニー大会の翌週にブリスベンで開催される『SUPER 7s』という大会にもAチーム以下が出場する。
その後、2月24日、25日に日本選抜2チームが参加する沖縄セブンズ(アメリカ、イングランド、オーストラリア、カナダ、フィジー、ロシアも参加)があり、4月からワールドシリーズの北九州大会(4月21日、22日)、カナダ大会(5月12日、13日)、フランス大会(6月8日〜10日)と続き、ワールドカップ(7月/サンフランシスコ)、アジア大会(8月/インドネシア)と続く。
男子代表は、SDSとしての和歌山合宿が1月24日〜2月1月にまで続き、2月はアメリカ代表の強化拠点で合宿をおこない、そこでフランス代表と合同練習も予定されている。また、現地の大会にも出場する計画を立てている。
そして、4月に香港でおこなわれるコアチーム昇格大会が今年最初の大きなターゲットだ。
「ドイツ、アイルランド、ウガンダ、チリ…。ライバルはたくさんいます。厳しい戦いになると思います」
7月のワールドカップではベスト8、アジア大会は優勝を狙う。
アジア大会はオリンピックのシミュレーションをするのに適している大会だ。全体のオペレーションをはじめ、選手村の存在や、チームスタッフが手にできるパスの数などが五輪に近いため、チームにとっては2020年に向けての模擬大会となる。
チームは、五輪独特の運営や空気を事前に学ぶため、平昌オリンピックにもスタッフを送る予定だ。本番での選手たちのストレスを減らすためにも、やれる準備はすべてやっておきたい。
また男子で注目されるのは、春以降、専任契約(セブンズの活動にフルコミットする契約。現在は鶴ケ?好昭ひとりだけ)の選手が増えそうなことだ。専任契約こそ発生しないものの、フル参加可能な選手も増える。
「男子の学生選手の中で、アスナビ(企業と現役トップアスリートをマッチングするJOCの就職支援制度)を使って就職する選手も出てくるかもしれません。そういった例があると、あとに続きたい選手が手を挙げてくれる可能性も高まるので、いい流れができたらいいですね」
2020年五輪まで3年を切っている。
2018年はこれまで下地を整え、準備してきたものをどんどん実現させていくときだ。