今季トップリーグでレギュラーシーズンの13試合をすべて勝ち、2季ぶりの王座奪還へ向け着実に前進してきたパナソニック ワイルドナイツが、1月6日に大阪・ヤンマースタジアム長居でおこなわれた優勝決定トーナメントの準決勝でトヨタ自動車ヴェルブリッツと対戦し、17−11で競り勝った。
4強による、負けたら脱落のノックアウトステージ。「厳しい試合になるのはわかっていた」というパナソニックのロビー・ディーンズ監督の言葉どおり、接戦となった。
トヨタがPGで先制。
しかしパナソニックは前半13分、ゲームキャプテンを務めたFLデービッド・ポーコックの力走で敵陣22メートルライン内に入り、トヨタのプレッシャーを受けたがボールをキープ、SO山沢拓也が左へロングパスを放り、WTB福岡堅樹がゴールラインを割って逆転した。
36分には俊敏なSO山沢がハーフウェイ中央付近から抜けて大きくゲインし、CTBディグビ・イオアネにつないで連続トライが生まれた。
一方のトヨタは、19分に敵陣深くへ入るも相手WTB福岡にボールをもぎ取られ、31分にはゴール前でラインアウトが乱れた。ハーフタイム前にもラインアウトからの得点チャンスだったが、ノックオンで好機を逃した。
14−3で迎えた後半、パナソニックは49分(後半9分)にPGでリードを広げる。
しかし、7季ぶりの4強入りで初のトップリーグ決勝進出を目指すトヨタは盛り返し、56分、敵陣22メートルライン内中央のスクラムで押してアドバンテージを得ると、FWがタテを突いたあとSOライオネル・クロニエが左へ大きく飛ばし、大外でボールをもらったWTBヘンリー ジェイミーが軽やかな身のこなしで相手のFB笹倉康誉をかわし、タックルに来たWTB山田章仁もハンドオフで外してゴールに持ち込み、5点を返した。
65分にはクロニエがPGを決め、6点差に。
トヨタはカウンターラックでターンオーバーするなど激しくファイト。スクラムでは何度もパナソニックを圧倒した。
しかし、トヨタの押せ押せムードだった終盤、パナソニックのFB笹倉がタックルで相手に落球させ、ボールを奪い返す。そして、パナソニックはラスト2分間を敵陣でプレーして時間を使い切り、接戦を制した。
勝ったディーンズ監督は、「気分はグレイトではないが、ここに来たのは決勝に進出するためだし、その結果を得たということで、来週へ向けてしっかり準備したい。厳しい試合になったのは、自分たちで首を絞めた部分も正直あったと思う。ただこういう厳しい経験をできたことは次の試合に向けてのいい準備になった」とコメント。
1月13日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれる決勝で前年度王者のサントリーサンゴリアスに挑み、2季ぶり5回目の優勝を狙う。