Bシードの奈良県代表・御所実業が、近畿の好敵手である兵庫県代表・報徳学園に17−22で敗れ、新年を迎える前に花園から姿を消した。
12月30日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた第97回全国高校大会の2回戦、両校は第1グラウンドの最後の試合で激突。1回戦からの挑戦者である報徳学園は、これが初戦だった御所実相手に前半から主導権を握った。
序盤から敵陣深くで攻め続け、10分、高校日本代表候補のFB雲山弘貴が抜けてチャンスメイクし、左外でパスをもらったWTB後藤多輝が先制のファイブポインターとなった。13分にはラインアウトから右へ大きくボールを動かし、副将のNO8宮下大輝がゴールに持ち込んで12点先行する。
御所実は25分、FW勝負にこだわりHO酒木凜平がインゴールにグラウンディングしてようやく得点したが、報徳学園はその3分後、キャプテンのCTB江藤良らが好走してチャンスを作り、右外でもらったWTB中西海斗がタックラーを振り切って17−7で前半を終えた。
勢いに乗る報徳学園は後半の立ち上がりにも、モールドライブからHO田村一巨がフィニッシュしてリードを拡大。
報徳学園の堅い守りをなかなか崩せずにいた御所実は、15点を追う29分にCTB谷中樹平のブレイクスルーからFB朝倉健裕のトライが生まれ、30分にもU18日本代表の朝倉がインターセプトから独走して5点差に詰めたが、ミラクル劇への時間は残っていなかった。
報徳学園は元日の3回戦でBシードの中部大春日丘(愛知)と対戦する。
長崎南山の防御を破ろうとする目黒学院のCTBヴァカラヒ・シオエリ(撮影:松本かおり)
関東2位の実力を持つBシードの目黒学院(東京第1)は、同じく4年ぶりの花園出場となった長崎南山と2回戦でぶつかり、苦しんだが26−20で辛勝した。
目黒学院は立ち上がり、体重115キロのNO8ハラシリ シオネがタックルをものともせずパワフルランで先制。12分にも南山はハラシリを止められず、目黒学院がリードした。
南山はPGで最初の得点を挙げたあと、21分にゴール前でモールを形成してトライを奪ったが、目黒学院はハーフタイム前にまたもNO8ハラシリが突進してハットトリックとなり、21−8で折り返した。
だが、13点を追う長崎南山が後半に盛り返す。8分、FWがパワー勝負を挑んでU18日本代表のNO8深山竣介がインゴールに突っ込み、コンバージョンも決まって6点差。22分にはキャプテンのFL大澤蓮が突破してチャンスとなり、クイック展開でSO有川航汰のトライが生まれ1点差に詰めた。
しかし、後半は劣勢だった目黒学院は27分、FL岩崎燎汰のビッグゲインで敵陣22メートルライン内に入り、ペナルティを得るとSH前川李蘭が速攻を仕掛けてゴールに接近、PR岩上龍が突っ込んで大きな5点を追加。そして、残りわずかな時間で逆転劇は起きず、ノーサイドの笛が鳴った。
目黒学院は3回戦でBシードの大阪桐蔭と激突する。
黒沢尻工戦で2トライを挙げた京都成章のFB二村莞司(撮影:松本かおり)
春のセンバツ、夏の7人制大会ともに準優勝だった京都成章は、花園での全国制覇へ向け、黒沢尻工業(岩手)を54−0と圧倒して3回戦に進んだ。
京都成章は前半1分過ぎにブレイクダウンでターンオーバーしてたたみかけ、HO相根大和がインゴールに突っ込み先制した。15分には敵陣22メートルライン内のスクラムから右を攻めて2対1とし、追加点。26分にはセブンズユース日本代表のFB二村莞司が駆け抜け、30分にはPR龍田恭佑もファイブポインターとなって26−0とリードし、後半も4トライ追加で快勝。
黒沢尻工はLO菊地諒輔のラインアウトスチールなど好プレーもあったが、優勝候補の一角から得点することはできず、チャレンジを終えた。
京都成章は3回戦で流経大柏(千葉)と対戦する。