東大阪市花園ラグビー場で開催されている「第97回全国高校ラグビー大会」は大会2日目の12月28日、朝から1回戦がおこなわれ、常翔学園(大阪第3)と若狭東(福井)が勝って2回戦進出を決めた。
第3グラウンドの第1試合では、花園常連校の常翔学園と仙台育英(宮城)が激突し、今回ノーシードながら優勝5回を誇る常翔学園が61−15と圧倒した。
常翔学園は前半5分、チーム1の駿足であるWTB河野竣太が自陣22メートルラインから突破して見事なコース取りで駆け抜け、先制。対する仙台育英は10分、FB千葉真之亮がタッチライン付近でキックをブロックしてボールを手にし、約60メートル独走して5点を返した。
しかし常翔学園は、15分にラインアウトからモールを形成したあとFL山本大輝がゴールラインを割り、21分にはまたもWTB河野が中央を突破して追加点を挙げた。
仙台育英は23分、FL長利慶太のパスカットからFB千葉のトライが生まれ、9点差に詰めるも、常翔学園は27分、SH前田翔哉が自陣から抜け出し、CTB岡野喬吾につないでリードを広げた。
28−15で迎えた後半は常翔学園ペースでゲームが進む。
8分、敵陣深くのスクラムでターンオーバーし、たたみかけてFB河村謙尚がフィニッシュ。12分には敵陣22メートルライン内のPKから攻めてCTB田中将騎がゴールに持ち込み、その後3トライを追加して、仙台育英を退けた。
常翔学園は30日におこなわれる2回戦でBシードの石見智翠館(島根)と対戦する。
第2グラウンドの1試合目に登場した若狭東は、山形南(山形)に66−0と快勝した。
昨年の花園を経験した選手も多く、落ち着いてゲームを進め、前半3分、カウンターラックでボールを奪い返しSO瀬野将気が先制。8分にはWTB木原健太が敵陣10メートルライン手前からしなやかな走りでゴールに持ち込んだ。木原は13分にもインターセプトからトライを獲得。16分にはFWが奮闘してHO高桑一斗がインゴールに押さえ、敵陣でプレーし続ける若狭東は23分にもトライを挙げた。
若狭東は後半も躍動。
2年ぶり2回目の花園で初勝利を目指した山形南は、FB今野若葉の思い切ったカウンターランなど光るシーンもあり、開会式で選手宣誓をおこなった伊藤大瑛キャプテンの言葉どおりノーサイドの笛が鳴るまであきらめなかったが、最後15フェイズを重ねた攻撃はターンオーバーされ、得点することはできなかった。
山形南との1回戦で10トライを挙げた若狭東(撮影:松本かおり)