後半に4トライを奪って完勝の大東大。大学選手権で上位進出を狙う。(撮影/小林佳代)
11月20日の東海大戦に勝利し、22年ぶりのリーグ戦優勝(8度目)を手中にしていた大東大が、25日に秩父宮でおこなわれた中大との最終戦に29-10と勝ち、全勝でリーグ戦を終えた。
序盤、中大は大東ゴールに迫るも、ミスでトライのチャンスを逃してしまう。その後は、キックを多用して陣地回復を図りながら、大東大の攻撃を必死のディフェンスで抑えた。
先制したのは大東大。前半12分、中大ゴール前で得たスクラムを押し込んだ(コンバージョンも決まり7-0)。
結果的に前半の得点はこれだけだった。
大東大はエラーでボールを失うことが多かった。中大は再三ロングゲインを見せたが、こちらもミスが多く、得点には至らなかった。
後半は中大が先にペースをつかんだ。6分、WTB楠本航己がトライ。2点差に迫った。
大東大は13分、ラインアウト後のモールで中大ゴールへ迫るも、反則でチャンスをつぶす。キックの応酬もあり、スコアは7-5のままなかなか動かなかった。
そんな展開が変わったのが後半16分だ。大東大はカウンターから攻めてNO8アマト・ファカタヴァがトライを決める。また、25分にもカウンターから追加点を奪う。SH南昂伸が個人技で相手を振り切った(19-5)。
とどめは後半31分だ。アマトに代わって入ったばかりのタラウ・ファカタヴァが大きくブレイクし、BKに展開。ゴール前でフォローしたWTB土橋永卓がインゴールに入り、24?5と突き放した。
終盤に疲れの見え始めた中大だったが、最後まで粘った。
後半39分、果敢に大東大陣内に攻め込む。途中出場の淺井瑠加がトライし、一矢報いる。大東大がインジャリータイムに村上寛介のトライを加えて29-10としたが、敗者も立派に戦い抜いた。
全勝優勝を決めた大東大だったが、この日の試合内容には満足していなかった。
青柳勝彦監督、ゲームキャプテンを務めたFB中川和真、先週の試合で肩を負傷し、この日はベンチでのサポートに回ったFL河野良太主将の3人は、試合後に同じコメントを口にした。
「優勝が決まっていて、試合へのモチベーションを保つのが難しかった。少しでも気を抜いたら今日のような試合になってしまうことがわかった」
全勝優勝の喜びより、課題を見つけられたリーグ最終戦でもあった。
大学選手権に向けては、この先の過ごし方、さらなるレベルアップが上位進出の鍵となることは、チーム全体で共有できているようだ(初戦は12月23日の準々決勝から。関東対抗戦3位×関西3位チームの勝者と対戦)。
敗れた中大は3勝4敗(勝ち点16)で法大と並んだが、直接対決で負けているため、法大が4位、中大が5位に。4位までに与えられる大学選手権への出場権を手にできず、今季終戦となった。
(文/池貝亨)
22年ぶりにリーグ制覇した大東大。まだ通過点。派手に喜ぶより前を見据えていた。
試合後、スタンドから声援を送り続けたメンバーと。(撮影/池貝亨)