2023年のラグビーワールドカップ開催国を決める投票が11月15日にロンドンでおこなわれ、フランスが、2007年大会以来2度目の開催国になることが決定した。国際統括団体のワールドラグビーは10月31日、さまざまな検証をおこなった結果、大会運営を委託しているラグビーワールドカップリミテッドが全会一致で南アフリカを推薦することを決めたと発表していたが、投票を経て選ばれたのはフランスだった。
ラグビーワールドカップ2023の開催意向を示したのは当初、フランス、アイルランド、イタリア、南アフリカの4か国協会で、昨年9月にイタリアが招致レースから撤退。
その後、ワールドラグビーだけでなく外部からの専門家も参加して「ビジョンとホスティングコンセプト」「会場と開催都市」「トーナメントインフラ」「財務、商業面」などさまざまな評価がおこなわれ、2010年サッカーワールドカップ開催のおかげで43,500席を上回る8つの優れたスタジアムとインフラを確立した南アフリカが最高評価(78.97%)で、フランス(75.88%)、アイルランド(72.25%)と続き、南アフリカがワールドラグビー理事会に推薦されていた。
しかし最終決定をする投票(総票数39)では、1回目がフランス:18票、南アフリカ:13票、アイルランド:8票となり、ここでアイルランドが脱落。そして2回目は、フランス:24票、南アフリカ:15票だった。
1995年大会以来2度目の開催を信じていた南アフリカと、初のメインホストを目指したアイルランドは涙をのむ結果となった。
フランスは60,000人以上の観客を収容できるスタジアムを3つ持ち(スタッド・ドゥ・フランスは81,338人)、1年後の2024年にパリオリンピックを開催することが決まっているため、空港やホテル、高速鉄道などのインフラストラクチャーが整備され、財務面も強みで、3候補のうち最も高い利益を上げると考えられていた。
フランスは2014年に女子ラグビーワールドカップを開催し大いに盛り上がった(Photo: Getty Images)