スリランカで泥だらけの戦い。男子は香港に敗れる。(撮影/出村謙知)
スリランカのコロンボで10月14日から始まった2017アジア・セブンズシリーズの第3戦は、来夏に開かれるワールドカップ・セブンズの予選を兼ねている。その大事なシリーズの最終大会の初日、男子セブンズ日本代表が香港に敗れた。マレーシアに28-7、フィリピンに29-5と勝った後、7-19と完敗した。
香港大会、韓国ラウンドをそれぞれ優勝、準優勝で終えた日本は、今シリーズの通算勝ち点を22点として、20点の韓国、18点の香港をリードしている(男女とも、それぞれ上位2チームがワールドカップへ)。
2日目(最終日)におこなわれるノックアウトステージで日本は初戦を中国と戦い、勝てば、準決勝で韓国と対戦する見込みだ。そこで日本が勝ったならワールドカップ出場が決定するが、敗れたならややこしくなる。
日本が3位決定戦に回って勝ち、逆サイドから勝ち上がってくる香港が決勝で韓国に勝ったなら、日本、韓国、香港が勝ち点30で並ぶ可能性もある(優勝=12点、準優勝=10点、3位=8点)。そんなややこしい状況になる前に、韓国大会決勝で敗れた隣国にリベンジを果たして世界への扉を絶対に開きたい。
大会初日のコロンボは、ときおり激しいスコールもあった。前日降った雨の影響もあり、グラウンドはぬかるんだ。足もとの状態は外から見た以上にひどく、選手たちを泥だらけにして悩ませた。
小澤大主将は「条件は相手も同じ。言い訳はしない」と話した。
「(香港戦は)先に点を取られて(2トライを先取されて)相手を勢いづかせてしまった。自分たちから仕掛け、こちらが勢いを出さないと。自分たちの考えていたプランを、ミスもあって遂行できなかった。明日はサクラのジャージーを着て戦うプライドがない者はグラウンドに立つ資格がない。絶対に勝つ」
自分たちのスタイルと気持ちを前面に出すことを誓った。
ピンチにもチャンスにも必ずいたサクラセブンズ中村知春主将。(撮影/出村謙知)
女子はスリランカに17-7、韓国に43-0、香港に17-5。圧倒したのは1試合だけだったが、リオ五輪後から取り組んできた「立ってつなぐ」スタイルを悪条件下で実践できぬ中、落ち着いて勝ち切った。
要所要所で光る働きを見せた中村知春主将は、先制されたスリランカ戦を「勝ったことだけがよかった」と話し、それでも修正できたし、走り込んできたことで勝ち切れたと言った。
「初戦はヘンに余裕を持っていたというか、なにか気持ちが入っていませんでした。ただ、これまでだったらああいう展開になると負けていたところを勝てた。こういうグラウンド状況では、ラグビーのうまさなど関係なくなります。その後の試合では1戦目で悪かったところを修正し、(試合内容を)上げていって初日を終われたと思います」
サクラセブンズはノックアウトステージでは初戦でシンガポールと戦い、勝てば、フィジカルの強いカザフスタンと激突する。韓国大会では優勝し、現在の勝ち点は日本=12、中国=10、カザフスタン=8(女子は韓国大会とスリランカ大会の2大会のみ)。全勝で決めたい。