ジャパンラグビートップリーグは10月7日、埼玉・熊谷陸上競技場などで第7節の7試合がおこなわれ、開幕から6連勝中だった神戸製鋼がキヤノンに26−31で敗れ、今季初黒星を喫した。
連敗の長いトンネルを抜けて前節で今季初勝利を挙げていたキヤノンは、今季かぎりで引退の意向を示した元日本代表主将の菊谷崇がリーグ通算150試合目ということもあり、結束はさらに強まっていたか。
前半、LO日高駿など3人がトライを挙げて19−14で折り返したキヤノンは、後半早々、SO田村優のグラバーキックをFL嶋田直人がインゴールに押さえ、48分(後半8分)にはWTBホセア・サウマキがゴールラインを割り、リードを広げた。
追う神戸製鋼は55分にNO8谷口到がトライを奪って10点差とし、64分にもゴールに迫ったが、今季4度目の先発でフル出場となる37歳のLO菊谷がブレイクダウンでターンオーバーし、流れを変えた。
76分にSH梁正秋のトライで5点差に詰めた神戸製鋼は、試合終了間際、自陣から43フェイズを重ねてゴール前でペナルティを得、スクラムから攻めてSH梁がゴールポスト下に飛び込んだが、キヤノンのFL田中真一がプレッシャーをかけて落球。その前にアドバンテージがあり神戸製鋼のスクラムで再開となったものの、キヤノンは規律よく守り、最後はまたも菊谷がブレイクダウンで絡んで相手の反則を誘い、キヤノンが歓喜となった。
キヤノンはこれで2勝5敗(勝点9)、神戸製鋼は6勝1敗(勝点28)となった。
サニックスのディフェンスを破るサントリーのツイ ヘンドリック(撮影:大泉謙也)
レッドカンファレンスで神戸製鋼と首位を争っている昨季王者のサントリーは、東京・秩父宮ラグビー場で5連敗中の宗像サニックスと対戦し、7トライを挙げて45−0で完勝した。ルーキーのWTB松井千士が後半からの出場で2トライを決め、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれている。
サニックスは前半20分まで互角に戦っていたものの、2人が危険なタックルでイエローカードをもらい、数的不利な時間帯にトライを奪われるなど、第5節・NEC戦、第6節・近鉄戦に続いて規律面が課題となった。
サントリーは7勝0敗(勝点34)、サニックスは1勝6敗(勝点5)。
フルバックで先発フル出場し、快足を披露したパナソニックの藤田慶和(撮影:Yoshio Enomoto)
サントリーと同じく全勝をキープしたのは、パナソニックだ。熊谷で、今季初勝利を目指す豊田自動織機のチャレンジを32−3で退け、ホワイトカンファレンスのトップを快走している。
3−3で迎えた前半14分、SO山沢拓也のオフロードからFB藤田慶和、左WTB福岡堅樹とつながり、背番号11のスピードスターが走り切って勝ち越し。18分には藤田がゴールに持ち込み、後半早々には山沢がドロップゴールを決め、18−3とリードを広げた。
2季ぶりのタイトル奪還を見据える元王者に対し、織機はディフェンスで奮闘していたものの、48分(後半8分)、空中にいた相手選手に対する危険なプレーでCTBヴァカジョセフ ウィルソンが一発退場となり、56分にはLOピーター・キムリンがイエローカード。13人となった織機からパナソニックはさらに2トライを奪い、ボーナスポイントも獲得している。
パナソニックは7勝0敗(勝点35)、豊田自動織機は0勝7敗(勝点2)。
そのほかは、レッドカンファレンス3位のトヨタ自動車がホワイトカンファレンス3位のリコーに12−6で勝利し、5勝2敗(勝点23)となって同組2位・神戸製鋼との勝点差を5に詰めている。リコーは4勝3敗(勝点20)となった。
NTTコミュニケーションズは同じNTTグループであるドコモとの対決に27−18で逆転勝ち。NTTコムは4勝3敗(勝点18)、NTTドコモは3勝4敗(勝点12)となっている。
連敗を止めたいクボタは近鉄を28−14で破り、3勝4敗(勝点13)。同じ勝敗数となった近鉄は勝点12のまま。
そして、開幕節以来の勝利を先週挙げて上昇のきっかけとしたかった東芝は、コカ・コーラに33−24で競り勝ち、3勝4敗(勝点14)でレッドカンファレンスの5位に浮上した。一方、アール・バー ヘッドコーチが率いる新体制となって奮闘を続けるコカ・コーラだが、今季初勝利にはまたしても届かず、7連敗(勝点2)となった。
7,408人が観戦した“NTT対決”は接戦となった(撮影:大泉謙也)