トップリーグの下部大会として今シーズン新設された「トップチャレンジリーグ」は、先週末、台風が心配されるなかファーストステージ第2節の全4試合が無事に開催された。
昨季トップリーグで最下位となって降格したホンダは17日、東京・秩父宮ラグビー場で釜石シーウェイブスと対戦し、怪我から完全復活して日本代表復帰を目指すWTBレメキ ロマノ ラヴァなどが躍動し計10トライを挙げ、60−3と圧倒した。
同日の秩父宮では三菱重工相模原も試合をおこない、マツダとの競り合いを19−5で制している。
積極的な補強もあって優勝候補の一角と目される日野自動車は、16日に秩父宮で中部電力と対戦し、55−7と快勝した。
ファーストステージで総当たりをおこない、上位4チームがセカンドステージで昇格を争うこととなるが(ファーストステージの順位により、アドバンテージポイントを付与する)、ホンダ、日野自動車、三菱重工相模原と同じく開幕から2連勝したのは、5シーズンぶりのトップリーグ復帰を目指す九州電力だ。昨季は同じトップキュウシュウAに属し練習試合を含めて負け越していたライバルの中国電力を、59−3と圧倒した(16日/福岡・九電香椎競技場)。
第1戦で大勝するも得点チャンスで何度もミスをし、「細部へのこだわりが足りない」と川嵜拓生監督に指摘されていた九州電力は、この試合はキックオフ直後からプレッシャーをかけてターンオーバーし、CTB中?憲章主将のクロスキックからルーキーのNO8山田有樹が先制トライを挙げて勢いに乗った。
中国電力が前半の終盤と後半10分にイエローカードを提示されFWが少なくなったこともあり、九電は計9トライを獲得した。
川嵜監督は、この日はアタックよりもノートライに抑えたディフェンスを高評価。「最後まで全員で守るという意識があった。ステップアップだと思う」。相手がラックの近場を攻めてくるという分析はできていた。それに対してプレッシャーをかけ、早めにセットしてコミュニケーションもとれていたのが堅守につながった。
今季の九電はクイックセットをするために、動き続けることを意識している。「(強豪相手には)自分たちはコンタクトの面でもスピードの面でも劣ってしまうところがあると思うので、相手よりも一歩早くセットして、優位な状態で戦っていかなければならない」と語るのは中?主将だ。「今季は怪我人が少なくて、チーム力はすごく上がっていると思う。先発した山田をはじめ、新人がいい刺激をチームにもたらしている。今日は途中から出場したリザーブの選手たちも、流れを止めずに、逆にいい方向にチームを向けてくれた」と、充実ぶりを話してくれた。
一方、敗れた中国電力の脊川穏監督は、「九電さんのプレッシャーに負けてしまったのがすべて。自分たちの未熟さが出た試合。(イエローカード2枚については)腹をくくったが、前半のシンビンは、さあここから反撃だというところで厳しかった」と試合を振り返る。これからもタフな試合が続くが、トップチャレンジリーグ参戦はワクワクしていると語り、「割り切って、自分たちのラグビーにフォーカスし、ワンチームになってやっていきたい」。これからも勇敢に挑戦する。