南半球の強豪4か国が競うザ・ラグビーチャンピオンシップは、9月9日に第3節の2試合がおこなわれ、連覇を狙うニュージーランド代表がアルゼンチン代表を下し3連勝、開幕から連敗し世界ランキング5位に落ちたオーストラリア代表はホームで南アフリカ代表と引き分けた。
スーパーラグビーからフォースを削減したことでオーストラリアラグビー協会に対して反発の声が強まるなか、同国代表の“ワラビーズ”はフォースの本拠地であるパースで南ア代表と対戦し、23−23のドローに終わった。
3−10とされ7点を追うオーストラリアは前半26分、フォース所属のLOアダム・コールマンが力強い走りで敵陣深くに持ち込み、華麗なフットワークを持つCTBカートリー・ビールのトライにつながった。SOバーナード・フォーリーのキックも好調でハーフタイム前にはPGで加点し、13−10で折り返した。
観客席にはワラビーズと同じゴールドジャージーを着用したファンもいたが、フォースのチームカラーであるブルーも目立ったnibスタジアムで、後半序盤に沸かせたのはまたもフォースの選手だった。46分(後半6分)、ラインアウトからのモールドライブで一気にインゴールへ押し込み、HOタタフ・ポロタナウがグラウンディング。コンバージョン成功で20−10となった。
しかし、8年ぶりのタイトル奪還を目指す南アも粘り、53分にPGで7点差とすると、58分にはモールでやり返し、同点となる。
そして、67分に南アがスクラムでPGチャンスを得て勝ち越せば、2分後にはオーストラリアもフォーリーのショットで3点を入れ、その後は互いに譲らず、同点のままノーサイドとなった。
オーストラリアはこれで0勝1分2敗(勝点3)、南アフリカは2勝1分0敗(勝点11)となった。
世界ランキング1位のニュージーランド代表は地元のニュープリマスでアルゼンチン代表と対戦し、前半は1点ビハインドで折り返したが、50分以降に底力を発揮し、39−22で逆転勝ちした。
アルゼンチンは健闘するも今年の大会ではまだ勝星がなく、3連敗。2015年のワールドカップでベスト4入りした南米の雄だが、2016年からのテストマッチ成績は7勝14敗(勝率33%)となった。
前半7分にFBダミアン・マッケンジーがラインブレイクし、2015年ワールドカップ決勝以来のテストマッチ出場となったWTBネヘ・ミルナースカッダーがトライを挙げて先制したニュージーランド。17分にはCTBアントン・レイナートブラウン、36分にはWTBイズラエル・ダグもファイブポインターとなったが、アルゼンチンに1トライ1ゴール、2PG、1ドロップゴールを許し、15−16と1点ビハインドで折り返した。
後半の序盤にもアルゼンチンにPGを2本決められ7点を追う展開となったニュージーランドは、49分(後半9分)にSOボーデン・バレットが反則行為で10分間の退出となり、さらに苦しい立場となる。
しかし、50分、HOデイン・コールズのキックチャージから攻めに転じ、FLヴァエア・フィフィタが敵陣10メートルラインからダイナミックに走り切って流れを変えた。コンバージョン成功で同点。
そして62分には連続攻撃をFBマッケンジーが左隅にフィニッシュして勝ち越し、SOリマ・ソポアンガのブーツでリードを広げ、77分にはボーデン・バレットのトライで勝負を決めた。
ニュージーランドはこれで3勝0敗(勝点14)、アルゼンチンは0勝3敗(勝点0)となった。
次節(9月16日)、ニュージーランドは地元ノースハーバーで南アと首位攻防戦をおこない、1勝目を目指すオーストラリアとアルゼンチンはキャンベラでぶつかる。
パワフルな走りで会場を沸かせたオールブラックスのヴァエア・フィフィタ(Photo: Getty Images)