三浦基裕・佐渡市長から佐渡米を受け取った佐藤大樹主将
慶應義塾大学ラグビー部は2017年の本格的なシーズンインを目前に控えた9月9日、地域の小学生らを横浜・日吉の慶大ラグビーグランドに招き、「シーズンキックオフイベント2017」を開催し、約230人が集まった。
今年度から新たに始めたこのイベントでは、佐藤大樹主将が「夏合宿で東海大学に勝利し、成長を実感できた。大学日本一を達成し、地域の皆様方に恩返しをしたい」と今シーズンの抱負を述べた。
続いて金沢篤ヘッドコーチが「1年目はアタック、2年目はディフェンスを強化し、3年目の今年はベースがしっかりしてきて、前を見て判断するトレーニングを重ねてきた。春季リーグ戦では全勝、夏合宿でフィジカルの強い東海大学と互角に渡り合い、自分たちのラグビーで勝利できた。これから日吉で他大学をしのぐ厳しい練習をして、まず9月24日の筑波大学に勝利し日本一を目指す」と力強く宣言した。
また、今年から新潟県佐渡市より提供されている「佐渡米(=トキと暮らす郷認証米)」(今年度2.1トン)ほかの贈呈式が行われた。贈呈式では三浦基裕・佐渡市長が「野生のトキが280羽飛び交う佐渡の自然の中で育まれた佐渡米は魚沼産コシヒカリに負けない味だと自負している。これまで大学スポーツとの交流はしてこなかったが、慶大ラグビー部との交流をスタートにスポーツ交流を図りたい。米パワーが慶大ラグビー部の日本一復活の礎になって欲しい」と述べた。
JA佐渡の齊藤孝夫会長は「農薬の少ない米づくりに10年以上取り組み、今では280羽のトキが舞うようになった。稲刈りの後にはトキが群れをなして飛んでいる。心を込めて作った佐渡産コシヒカリにより、慶大ラグビー部の成績が上がることを祈っている」と語った。慶大ラグビー部ではお米プロジェクトなどにより、強豪校に比し体格で劣るものの小粒ながら大型選手に負けない体作りを目指しており、佐渡米の提供は願ってもない申し出であった。
会場ではこのお米で握ったおむすびの試食会があり、ちびっ子たちがおいしそうおむすびを頬張っていた。イベントの最後には現役学生・指導陣による「小学生ラグビークリニック」も開催し、地元の日吉の小学生との交流を図った。
一方ラグビー部合宿所内では特別対談として、三浦市長と渡瀬裕司GMの対談が行われた。進行役はスポーツジャーナリストの生島淳氏。佐渡市が慶大ラグビー部に佐渡米を提供することになった経緯、自然に合わせた有機的な栽培方法により育まれた佐渡米のおいしさの秘密、ラグビー選手にとってのお米の重要性、高齢者の多い佐渡市でのスポーツを取り入れた健康維持プログラム、慶大ラグビー部の佐渡遠征への期待などを語った。
最後に三浦佐渡市長から「佐渡米を食べた慶大ラグビー部の選手が佐渡米は美味しいと言ってくれるだけでうれしいが、副賞として慶大ラグビー部の日本一がついてくればなお一層うれしい」と締めくくった。
(茗荷伸壽)
地元日吉の小学生や保護者と記念撮影に収まる慶大ラグビー部の選手たち