ダミアン・カラウナHC(左)とキャッチフレーズのボードを持つ小澤大主将。(撮影/松本かおり)
陽気な指揮官は会見などがあると、できる限り参加者と握手を交わす。8月29日もそうだった。
都内のホテルで開かれた、男子セブンズ日本代表の記者会見。同30日にアジアセブンズシリーズ第1戦・香港大会への出発を控える中で今季の抱負や準備について話したダミアン・カラウナ ヘッドコーチ(以下、HC)は、会見場を出る前にその場にいた全員と触れ合った。
小澤大主将とともに会見に臨んだ同HCは、会見の冒頭に新しく作ったチームのキャッチフレーズ、『ジャパン・フレア(JAPAN FLAIR)』を紹介した。
「閃きをつなげる。日本のセブンズがどうやって世界と戦うのか、魅了していくのか、それを表したものです。デザインの赤は日本を象徴するライジングサンを、(7の)金色はオリンピックに向かうすべてのチームが目指す色を意識しています」
主将も、そこに込められた意志を口にした。
「選手一人ひとりの閃き、アイデアをつなげることで日本のスタイルを作っていく。いろんな国から集まった選手がいるチームです。そんな仲間がつながる。チームとしての成長を2020年につなげ、セブンズの魅力、文化を次代につなぐ。そんな思いで作りました」
9月1日、2日の香港大会を含め、韓国大会(9月23日、24日)、スリランカ大会(10月14日、15日)とアジアでの3大会に臨む。
今年のシリーズは、2018年の8月にアメリカ・サンフランシスコで開かれるワールドカップ・セブンズの予選を兼ねている。3大会分の総獲得ポイントが多い上位2か国が大舞台行きの切符を手にするだけに、各大会で確実に好成績を残していくことが大事。そういう意味でも、初戦の重要度は高い。
「勝つメンバーを選んだ」と言った指揮官は、オーストラリア遠征など、重ねて来た準備に自信をみせた。
「この時期の香港は蒸し暑いでしょうが、オーストラリアのマッカイも暑い場所でした。そんな場所で、組織力がしっかりしていて、大きく、速く、若い選手がいる豪州代表と試合をして、アジア各国と戦うための準備、経験を積めたと思います」
フィジーへ遠征する選択肢もあったが、個人技に秀でる同国チームと戦うより、香港や韓国、スリランカとの対戦を考えた。カラウナHCは「スリランカはセブンズNZ代表として活躍したピーター・ウッズが指導をしています。成長しているはず」と話し、アジア相手にも一切気を抜くことなく戦う姿勢を示した。
キャプテンも気持ちの充実を口にした。
プライドを持って戦いたいと話したリーダーは、HCが就任した昨秋から新しく代表に加わった若手の成長を感じていると話し、トゥキリ ロテなど、リオ五輪を経験した選手たちも加わってチーム力も高まっているとした。
「チーム内で競争が起こることで、レベルが高まると思います。ただ、自分も含め、いま選ばれている選手たちには、戻ってきた人たち(五輪組)に負けたくない気持ちがある」
このメンバーでアジアのライバルたちを圧倒し、チームの持つ力を証明しようと思っている。
香港大会ではスリランカ、韓国、中華台北と同じプールBで戦う。プールAには香港、中国、マレーシア、フィリピン。準備してきたことと潜在能力をすべて出し切って、絶対に12ポイント(1位)を手にしたい。
<アジアシリーズ・香港大会 男子セブンズ日本代表メンバー>
小澤大(主将/トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
加納遼大(明治安田生命ホーリーズ)
坂井克行(豊田自動織機シャトルズ)
パトリック・ステイリン(日本IBMビッグブルー)
ダラス・タタナ(釜石シーウェイブスRFC)
鶴ヶ?好昭(パナソニック ワイルドナイツ/日本ラグビーフットボール協会)
トゥキリ ロテ(クボタスピアーズ)
中野将宏(九州共立大学 4年)
林大成(キヤノンイーグルス)
ジェイデン・トア・マックスウェル(白鷗大学 4年)
本村直樹(ホンダヒート)
シオシファ・リサラ(花園大学 4年)