ジャパンラグビートップリーグで昨季初めてトップ4を逃し、6勝9敗、9位という成績に終わって苦汁をなめた東芝ブレイブルーパスだが、チームに戻ってきた瀬川智広監督のもと、再建への第一歩を勝利で飾った。8月19日、東京・秩父宮ラグビー場でNECグリーンロケッツと対戦し、20−0で白星発進だ。
PGで先制した東芝は前半14分、FBコンラッド・バンワイクのビッグゲインからWTB宇薄岳央のトライが生まれ、主導権を握った。ハーフタイム前にはPGで加点し、13−0で折り返す。
雷の影響により、後半が始まるまで約1時間半の中断。
試合再開となり、流れを変えたかったNECだが、47分(後半7分)にCTBマリティノ・ネマニが危険なタックルでイエローカードをもらい、50分には反則の繰返しによるチームファールでLO権丈太郎がシンビン、13人になってしまった。
数的有利の東芝は51分、ゴール前のラインアウトからモールで前進を試み、FL山本紘史がトライを挙げ、リードを拡大。
ボーナスポイントは奪えなかった東芝だが、堅守で相手に得点を許さず、きっちりと勝点4を獲得した
同日、秩父宮でおこなわれた第2試合は、2季ぶりのタイトル奪還を狙うパナソニックワイルドナイツがクボタスピアーズに45−21で勝利。相手に3トライを許したが、倍の6トライを挙げてボーナスポイントも手にした。
先制したのはクボタだった。前半8分、敵陣深くでラインアウトボールをLOグラント・ハッティングがスチールし、そのままゴールに突っ込んだ。
しかし、パナソニックは17分、フェイズを重ねてゴールに迫り、新主将のFL布巻峻介がトライ。20分には自陣深くからボールを回し、12番をつけたルーキーの松田力也が大きくゲイン、サポートしたSOベリック・バーンズがゴールに持ち込み、14−7とした。
攻撃のリズムが良くなり、27分にも敵陣22メートルライン付近まで上がったパナソニックだが、整備されたディフェンス裏にボールを出そうとしたHO堀江翔太のキックをクボタのLOハッティングがブロックし、CTBライオネル・マプーへとボールが渡り、同点につながる独走トライが生まれた。
それでも、経験豊富な選手が多いパナソニックは慌てることなく、37分、ゴール前中央のスクラムからSH田中史朗が仕掛け、NO8ホラニ龍コリニアシとの連係で勝ち越しトライを奪った。
21−14で折り返したパナソニックは、後半早々にPGで3点追加。51分(後半11分)にはゴール前の接点でピックアップしたFB森谷圭介がファイブポインターとなり、54分にはCTB笹倉康誉が抜け出してWTB福岡堅樹の40メートル独走を演出、69分にはWTB山田章仁がチーム6トライ目を挙げ、勝利を決定づけた。
敗れたクボタだが、優勝候補相手に攻守で奮闘し、終盤にはラインアウトからの攻撃でWTB近藤英人がトライを挙げ、次戦につなげた。
先発でデビューし、パナソニックの勝利に貢献したルーキーの松田力也(撮影:松本かおり)