15年ぶりの出場となった女子ラグビーワールドカップ(2017アイルランド大会)の初戦で大敗したサクラフィフティーン(女子日本代表)だが、4日後におこなわれた第2戦は、魂のこもった80分間の奮闘で観る者の心を打った。
しかし、歴史的勝利とはならず。
ダブリンのUCDボウルで現地時間8月13日、優勝を狙う開催国のアイルランド(世界ランキング5位)に挑み、後半23分までリードしていた日本だったが、14−24で惜敗した。
日本は序盤から出足の速いディフェンスでプレッシャーをかけ、ボーナスポイント獲得を目指して4トライ以上を狙っていたアイルランドを慌てさせた。さらに、力強いスクラムで優位に立ち、テンポの速いラグビーで流れを引き寄せる。
そして前半26分だった。敵陣22メートルライン内のスクラムでターンオーバーし、PKから速攻を仕掛け、得点には結びつかなかったが相手に反則があり、日本はスクラムを選択する。グリーンの塊を再び後退させ、ペナルティトライで先制した。
37分にもゴール前でチャンスとなった日本は、FWがタテを突いたあと素早くBK展開し、FB清水麻有がプレッシャーを受けながらも倒れず、軽快なフットワークで次々とタックラーをかわしてインゴールに持ち込み、連続トライで14−0とリードして前半を終えた。
しかし、プールCを上位で突破し準決勝に進むためには絶対に負けられないアイルランドは、後半に盛り返す。セカンドハーフのキックオフ後まもなく、イエローカードをもらって14人となったものの、後半6分、キックチャージからたたみかけてトライを奪い、大勢のサポーターで埋まった会場を沸かせた。
流れを変えたい日本は、何度もゴール近くまで攻め込むもブレイクダウンで苦しみ、追加点を奪えない。
一方、第1戦の先発メンバーから7人を替えてこの試合に臨んでいたアイルランドは、ベンチにいたレギュラークラスを次々とフィールドに送り込み、エナジーアップ。すると後半24分、リザーブの大柄な選手も加わったFWがラインアウトからのドライビングモールで押し込み、コンバージョン成功で同点となった。
さらに後半33分、ピック&ドライブの連続でゴールに迫ったアイルランドに対し、日本は懸命のタックルで耐えていたが、反則を犯し、アイルランドがPGで勝ち越す。
そして、3点差のまま時計の針は刻々と進み、フルタイム直前、34フェイズを重ねたグリーンジャージーに日本は魂のタックルを連発して死力を尽くしたが、アイルランドのパワフルな19番がゴールラインを割ってインゴールに押さえ、激闘に決着がついた。
敗れたサクラフィフティーンの齊藤聖奈キャプテンは、「前半は自分たちのラグビーがしっかりできたが、後半の入りとラスト10分のところがうまくいかず、タフなゲームになった。セットピースは8割、9割できていたが、後半うまくいかなかったので、次に向けて修正したい。勝ち切ることの難しさを学んだ」とコメントした。
日本は現地時間17日におこなわれるプールCの最終戦でオーストラリアと対戦する。