国際リーグのスーパーラグビーへ日本から加わるサンウルブズは7月15日、ニュージーランドのブルーズから今季2勝目を挙げた。
ホームの東京・秩父宮ラグビー場が熱波に見舞われるなか、「この暑さが味方になった」と振り返るのは福岡堅樹。身長175センチ、体重83キロの24歳だ。背番号11をつけ、左WTBとしてフル出場した。
持ち前の加速力をカウンターアタックに活かした。さらに力を発揮したのは、防御面だった。
例えば自陣22メートルエリアに押し込められた、後半12分ごろ。サンウルブズ側から見て左サイドを攻めてきたブルーズに対し、持ち場で待ち構える。端の選手へパスが回ったと見るや、その選手を自分とタッチラインで挟み撃ちにするよう一気に飛び出す。相手はたまらず外へ飛び出し、サンウルブズは自軍ボールを獲得した。
このほかの場面でも再三、福岡は好守で魅す。終始、左タッチラインは味方にできた。ノーサイド。48−21で勝利した。
福岡県の玄海ジュニアラグビークラブで競技を始めてから、ほとんどWTBを務めてきた。それだけに、絶妙な守備をこう振り返るのだった。
「与えられたエリアで、マイボールにするためには何をすべきか。それを考えながらやっていました。ずっとWTBをやってきているので、そこは経験で」
連携する日本代表の方針でメンバーを日ごとに入れ替えるチームにあって、9試合に出場。4トライを挙げた。
タフな状況下、チームは惜敗やワンサイドゲームなどを経験して2年目のシーズンを2勝13敗で終えた。もっとも日本代表23キャップを持つ福岡は、その場の得点板には左右されたくないという。
「とにかく一戦、一戦を大事にしていくしかない。常に、何か成長できるようなゲームにしていかないと。もちろん結果もラグビー人気のためには大事ですが、選手としてはそこを意識するよりゲームをしっかり作り続けるなどの過程を大事にしていきたい」
8月開幕の国内トップリーグでは、加入2シーズン目のパナソニックでプレーする。11月に予定される秋の日本代表ツアーでも新たなマイルストーンを積み上げ、2019年のワールドカップ日本大会を目指してゆきたい。
(文:向 風見也)