ラグビーリパブリック

夏休みはパナソニック対ハイランダーズ戦の「ワイルドパーティーゾーン」へ!

2017.06.30
 客席にDJブースを作り、ダンスフロアのようにする。来場するチアガールには大量の水しぶきを上げる水鉄砲を持たせ、客席に発射してもらう。季節は夏だ。観客には水着姿で来てもらってもいい。
 パナソニック ワイルドナイツで「国際・企画」という役職を担う村上泰將さんが、国内外での留学や視察の経験を活かして新しい楽しみ方を提案している。その名も「ワイルドパーティーゾーン」だ。
 実施されるのは8月11日の埼玉・熊谷陸上競技場。「グローバルラグビーフェスタ2017埼玉・熊谷」の国際親善試合、パナソニック対ハイランダーズ戦がおこなわれる日だ。メインスタンドから見て左側のゴール裏席「北サイドスタンド」が、20〜30代向けの非日常空間となる。
 4年に1度あるワールドカップの日本大会に向けた機運醸成を願う村上さんは、「ワールドカップに向けてラグビーを盛り上げられるよう、観戦文化を変えたい」と語る。もちろん、40代以上の人も歓迎だという。
「日本のラグビー場では、席に座って解説をしながら黙々と観るのが良さになっています。ただ、より盛り上げるには若い人の力も大切になります。そのためにはラグビーだけがおもしろいというのではなく、『ラグビー場に行ったらおもしろい』という雰囲気作りも必要」
 この新たなイベントは、公式発表前にパナソニックの若手選手も把握した様子だ。村上さんによれば、「特に1、2年目の選手は、『これは絶対に人が集まりますよ!』といい反応をしてくれています」。パナソニックが参画する実行委員も、北関東の大学でラグビーをする学生を触媒としながら若者への宣伝に力を入れそうだ。電子チケットシステムの「Peatix」を使ってスマートフォン片手に入場できるようにするなど、よりグラウンドへ来やすくしたいという。
「ワイルドパーティーゾーン」のチケット代は1000円と手ごろ。すでに販売されている自由席価格と同額だ。同じ自由席でも、高校生や家族連れがゆったりと楽しめる南スタンドと差別化が図られている。
 2013年から4シーズン、パナソニックとハイランダーズの両方でプレーしてきた田中史朗は、かねて日本のラグビーファンにもっと大騒ぎして欲しいと話していた。
「確かに(大歓声は)耳に入ります。それでも僕らは集中力でプレーできるので…」
 ラグビーの試合会場を、大型遊園地のプールや飲食店の並ぶ路上イベントと並ぶようなレジャーに…。田中がいまも所属する群馬県太田市のチームが、そんな試みに着手しようとしている。
(文:向 風見也)
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