東京都高校春季大会は5月14日、日野自動車総合グラウンドで準決勝2試合がおこなわれ、新人大会で同点優勝だった目黒学院と國學院久我山がともに勝って決勝進出を決めた。
目黒学院は早稲田実業から後半5トライを奪い43−8で完勝。國學院久我山は東京高を39−5と寄せ付けなかった。5月21日に日大グラウンドで、19−19で引き分けた新人大会の決着をつける。
「早実、前半はプラン通りも後半、力尽きる」
第1試合は、目黒学院と新人大会準決勝でぶつかるはずだった早稲田実業が対戦(新人大会準決勝は早実が部員のインフルエンザで棄権)。
試合は開始2分、早実が最初の攻撃でBKが右隅へ飛び込み先制した。早実は前半、ボールを保持し続けることで目黒のパワー溢れるランナーたちを封じる。
目黒は8分、自陣でCTBヴァカラヒ・シオエリがボールを持つと早実ディフェンスの間を走り切り中央にトライを決めた。ゴールも右WTBエドバー・マビンが成功し7−5と逆転した。早実も4分後、目黒陣22メートル外側のPGをSO小泉怜史が決め8−7と再逆転。
20分すぎから目黒のランナーたちが実力を見せ始めた。自陣でCTBシオエリが左ライン際へ走る。早実のタックルをもらうが倒れず、フォーローしたWTBマビンへ。マビンはライン際を一気に快走しインゴール左隅へボールを運んだ。前半は12−8と目黒が僅差のリードで終えた。
後半は、8分に目黒がラインアウトからモールを組みトライを奪うと、5連続トライで43−8と突き放し圧勝した。早実は後半、キックで目黒陣へ入る戦いも、キックを受けた目黒FB高橋達也らが確実に早実陣へ入り、ゼロ封。
「久我山BKが躍動」
第2試合は國學院久我山が東京高を一蹴した。
前半から久我山ペースで進み、15分、東京陣で反則を数度得ると、ラインアウトやタップで仕掛ける。22メートル付近から右中間へのキックパスをCTB中楠一期がキャッチしトライラインを越えた。
21分には右ラインアウトからトライを奪い、1PGも追加し15−0で折り返した。
後半はBKが自由に駆け回った。10分すぎ、右ラインアウトから展開し右CTBが左中間へトライを決める。15分にはSH、22分は右WTBと、BKで連続トライ。27分に東京がようやくトライを返すも、終了前に久我山のFB武藤啓亮がトライを決めた(39−5)。
久我山の土屋謙太郎監督は「BKはカウンターアタックからトライを取れて自信になったと思う。今日、良かったディフェンスの精度を上げて目黒戦に備えたい」と話した。
準決勝前におこなわれた5位決定トーナメントは、本郷が34−24で保善に勝利、もう1試合は東京朝鮮が明大中野に17−14で勝ち、両校が5位決定戦で争う(21日、3位決定戦前)。
(文:見明亨徳)
久我山は後半、BKが4トライを奪った(撮影:見明亨徳)