欧州最強クラブの称号を手にしたのは、今年もサラセンズ(イングランド)だった。
「ヨーロピアンラグビー・チャンピオンズカップ 2016-2017」の決勝が現地時間13日、スコットランドのエディンバラ(マレーフィールド)でおこなわれ、昨季王者のサラセンズがフランスのクレルモン・オーヴェルニュを28−17で下し、見事連覇を達成した。
1995年にハイネケンカップとして始まった欧州最強クラブ決定大会で、優勝はこれまでフランス勢が8回で最多だったが、イングランド勢の優勝も8回となって並んだ。
サラセンズは国内リーグのプレミアシップでもプレーオフ進出を決めており、2季連続の2冠を狙う。
クレルモンは2季ぶり3回目の決勝進出だったが、またしても悲願の欧州初制覇はならなかった。
5万5,272人が観戦したファイナル。
前半12分、サラセンズがラインアウトモールでアドバンテージをもらったあと右へ展開し、FBアレックス・グードが空いたスペースにキックで転がしたボールをWTBクリス・アシュトンが確保してインゴールにダイブし、先制した。21分には連続アタックをLOジョージ・クルースがフィニッシュし、12−0。
対するクレルモンは26分、ゴール前のスクラムから攻め、CTBオレリアン・ルージュリーのパワフルラン後、サポートしたCTBレミ・ラメラがトライゲッターとなって12−7で折り返した。
50分(後半10分)にサラセンズがPGでリードを広げたが、クレルモンはその1分後、FBスコット・スペディングの力走から勢いづき、左サイドをNO8フリッツ・リー、FLペゼリ・ヤト、WTBニック・アベンダノンとつないでトライを挙げ、1点差とする。
その後、互いにPGで3点ずつ追加し、クレルモンはSHモルガン・パラのトライセービングタックルもあって食い下がったが、18−17で迎えた72分、サラセンズがゴール中央に迫り右へ展開すると、CTBマルセロ・ボッシュがおとりとなってFBグードが抜け、大きなトライを獲得した。
クレルモンは75分にPGで5点差に詰めるチャンスだったが、SOカミーユ・ロペスが失敗。逆にサラセンズは78分にSOオーウェン・ファレルがPGを決めてセーフティリードとし、やがて歓喜の瞬間を迎えた。
なお、「ヨーロピアン・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」にはサラセンズの司令塔、オーウェン・ファレルが選ばれ、昨年10月に急死したマンスターのアンソニー・フォーリー ヘッドコーチの名前を冠したメモリアルトロフィーが贈られた。
先制トライでサラセンズに勢いをつけたWTBクリス・アシュトン(Photo: Getty Images)
攻守で奮闘したクレルモンのSHモルガン・パラ(Photo: Getty Images)
オーウェン・ファレルのキックもサラセンズの大きな武器となった(Photo: Getty Images)