抽選会前夜。ジョセフHCの胸も高鳴る。(撮影/宮原和也)
ターゲットが決まるまで、あと1時間強。5月10日、2019年ラグビーワールドカップのプールドローが京都で開催される(17:00開始)。抽選により、出場20か国が4つのプールに振り分けられる。各試合の日時、場所等、細かな大会スケジュールの決定は今秋以降となるが、対戦国が決まれば各国の強化の方向性はより明確になるだろう。
5月9日には京都市内のホテルで前夜祭が開かれた。そこに参加した日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチは、プールドローを翌日に控えた気分を「エキサイティング」と話した。
「どのグループに入ろうが、ティア1国の2チームと対戦しなければならない。大きなチャレンジ。相手がどこであろうと、大きな山を越えなければけないことに変わりはない」
選手たちが日本代表前指揮官率いるイングランドとの対戦を望んでいることを知らされると、「強い相手にチャレンジしたい気持ちを抱くのは、私たちの意図するところでもある。素晴らしいこと。その相手を前ヘッドコーチが率いているのなら、いいストーリーがうまれる」と笑顔を見せた。
ジョセフHCは、ファンのサポートが大きな力になると話した。
「この国でワールドカップがおこなわれる。それがあったから、私はヘッドコーチを引き受けました。この大きなチャンスに(自分がこの国でたくさん与えてもらったことに対しての)恩返しをしたい」
1995年、自身がオールブラックスの一員として出場したワールドカップ。チームは決勝で開催国の南アフリカに敗れて準優勝に終わった。
「開催国はプレッシャーを受けることもありますが、あの大会では、南アフリカのあらゆる人たちの応援が(スプリングボクスの)力になっていたと思います。2019年の大会では、私たちがあれくらい大きなサポートを得られたらいいですね」
選手として2度(1995年大会=NZ代表、1999年大会=日本代表)ワールドカップに出場している同HC。しかし、指揮官として大会に向けての準備を重ねるのは初めての経験だ。
「(私が参加した当時の)ワールドカップとは大きく違うものとなっています。大会と大会の間におこなわれるテストマッチも増えました。そして大会にはどのチームもベストのコンディションで、高いフィットネス、強い執着心で臨んでくる。そんな大会をホームで戦えることは喜びです」
大会が始まるのは9月。日本はまだ暑い。それを味方につけたい。
「それは私たちにとってアドバンテージになると思います。他国は、それに慣れる準備をしないといけない」
ジャパンはハードに、賢くトレーニングを重ねていくと宣言した。
プールドローでは最初に日本の抽選がおこなわれ、その後、バンド5から上位バンドへとすすめられていく。
先日発表されたバンド4、バンド5の振り分けを見れば、オセアニア1位、2位が同じ組になる可能性もある。それが日本の組となればティア1国との対戦も含め、とてつもなくハードな4試合を戦わなければいけなくなる。ジョセフHCは、「抽選が終わって対戦国が決まるのを皮切りに、方向性が明確になって、準備していくことになる」と話した。
これから2年強の間、頭に浮かべて戦う相手が決まる模様は大会公式ウェブサイト(rugbyworldcup.com)でライブストリーミング配信されるほか、J SPORTS (J SPORTS 3)、J SPORTSオンデマンドで生中継される。
■RWC2019プールドロー
Band 1 ニュージーランド、イングランド、オーストラリア、アイルランド、(1位〜4位)
Band 2 スコットランド、フランス、南アフリカ、ウェールズ(5位〜8位)
Band 3 アルゼンチン、日本、ジョージア、イタリア(9位〜12位)
Band 4 オセアニア地区予選1位、ヨーロッパ地区予選1位、アメリカ地区1位、アフリカ地区1位
Band 5 オセアニア地区予選2位、アメリカ地区2位、オセアニア3位×ヨーロッパ2位プレーオフ勝者、敗者復活トーナメント最終予選勝者