ラグビーリパブリック

関東大学春季大会 明大が初戦をWスコアで勝利。スクラムのこだわりで決める

2017.05.07

明大はFB?橋など8トライ中6本をBKが仕留めた(撮影:長岡洋幸)

 5月7日、明大の八幡山グラウンドにて、関東大学春季大会Aグループ、明大対流経大がおこなわれた。両校にとっての初戦だったが、後半に突き放した明大が52−26で白星発進。この日、八幡山では朝から北島ラグビー祭がおこなわれてきたが、そのメインマッチを勝利してファンを喜ばせた。
 序盤は明大の素早い攻撃が決まる。3分、前に出たラックから素早く展開してタイミング良く走り込んだFB?橋汰地が先制トライを挙げると、12分にはスクラムのターンオーバーからNO8前田剛が突破してSH福田健太がトライ。FWが前に出た時の強さ、BKの素早い反応を見せる。明大が一気にペースを握ったかに思われたが、ここから流経大が反撃する。17分には明大陣ゴール前スクラムからSH中嶋大希がトライを挙げると、21分にはWTB?山和喜がインターセプトからトライ。さらに26分はLOタウムア・ナエアタの豪快な中央突破からWTB?山が再びトライを挙げると、?山が自ら難しい角度のゴールも決めて21−12と引き離した。
 流経大は昨年の卒業生にレギュラー組が多く、特にBKは大幅に入れ替わった。SH中嶋は残ったが、SOには主にWTB・FBで公式戦を経験した桑江淳太郎が先発。FBは新しい留学生のヴィリアメ・タカヤワが出場した。昨年まではワイドな攻撃が魅力のひとつだったが、今年目立ったのは徹底したストレートランからの縦やアングルに走り込む切る動きだ。これで何度もゲインしたが、その後にミスが起こりターンオーバーされたことも多く、現時点では収穫のひとつに。
「これまでワイドに運ぶ攻撃をしてきたので、新しいメンバーもそこはうまいのですが、もっと縦で切っていきたい。そのプレーにミスは出ましたが、うまくいった部分もあるので次に活かしていきたい」と流経大、内山達二監督。
 明大が流れを引き返したのは再びスクラムだった。前半33分、スクラムでの相手反則から再びスクラムを選択すると、SH福田が防御背後に絶妙のパントを転がし、WTB渡部寛太がトライを奪う。直後にはFB?橋のカウンターからWTB山村知也がトライを挙げて24−21と明大が再逆転して前半を終える。
 後半10分過ぎ、明大はスクラムにこだわる。相手反則で再びスクラムを選択すると、最後はペナルティトライでFWは勢いを増す。そして15分には中盤でブラインドWTBの渡部が絶妙のライン参加からFB?橋につないでトライ。38−21と引き離すと、さらに2トライを加えて52−26と逃げ切った。
「まだ特別なことはしていないですが、ベーシックにこだわりたい。今日から春季大会が始まったので、マインドを変えて臨むだけ。特に、スクラムは明治FWの原点なので、こだわりを持ってやっています。明治なので、ここは譲れない、と。新しく加わった滝澤コーチ(佳之・元リコー)がそこは徹底的にやってくれるはず」と明大、丹羽政彦監督。
 振り返れば、ポイントとなる起点はほとんどスクラムだった。そこはトップリーグの最前線で戦った滝澤コーチから学生たちは多くを学んでいるという。
「昨年と違うのは低さです。低く、固まって、真っすぐ押す。これを徹底できれば、スクラムは明治の強みになると思います。まずはスクラムに力を注ぎ、個人的にはもっと走れるようにしたい」と話すのは3番で先発したPR船木頌介(旧姓 田代)。
 かつてスクラムは明治のお家芸だったが、現在はどこのチームも勝つために不可欠な要素として強化を進める。経験が必要ではあるが、この日の明治はFWもBKも、スクラムとなるとお互いを鼓舞する姿が印象的だった。?明治はスクラムだ″という意識があるから、8人で固まれた。この先もスクラムの行方は勝負を左右しそうだ。
(文:福田達)

明大NO8前田剛を止めるのが、流経大FBタカヤワ(撮影:長岡洋幸)
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