ラグビーリパブリック

100回目の定期戦は同志社の勝利。ボンドのつながりで、慶應に55-40!

2017.05.04
節目の定期戦で4トライと活躍の同志社大学WTB鶴田桂樹。
(撮影/松本かおり)
 紺グレの11番は4度インゴールに駆け込んだ。5月4日、秩父宮ラグビー場。同志社大学が55-40で慶應義塾大学に勝った。
 試合後、ヒーローのWTB鶴田桂樹は目尻を下げた。
「100回目に巡り会えた。それがまず嬉しかった。そして(関西まで)滅多に応援に来られない東京の人たちに勝利を見せられて良かった」
 両校の100回目の定期戦だった。この日の勝利で、同志社大学は通算41勝となった(慶應義塾大学=55勝。引き分け=4)。
 節目の試合は打ち合いとなった。
 先制トライは開始2分。慶大がキックカウンターから攻め、最後はSH江嵜真悟がインゴールに飛び込んだ。しかし、その4分後には同大もLO堀部直壮がインゴールに入り同点に追いつく。前半は4トライずつの26-26だった。
 互いにFW、BKのバランスよく攻めた。慶大はモールの結束力があり、SO古田京がキックパスを巧みに通したり。同大ではHO平川隼也の機動力、アタックセンスが光った。
 後半に入っても、序盤はシーソーゲームが続いた。
 しかし中盤以降は同大の勢いがタイガージャージーを飲み込んだ。36-40とリードを許して迎えた24分過ぎから3トライを奪い、逆転、そして突き放す。WTB鶴田に好球を集めて2トライを決めた後、最後はLO服部綾がインゴールにボールを運んだ。スタンドではジャージー色の小旗が何度も振られた。
 昨年11月、12月のHSBCワールドラグビーセブンズシリーズ 2016-2017第1戦・ドバイ大会、第2戦・南アフリカ大会に参加し、世界の舞台を経験。そこでフィジカルの強さの重要性を知るとともに成長した鶴田は、ラストイヤーを迎え、自分の強みを前面に出してプレーしようと心掛けている。
「その点も今日はいい方向に出たと思いますが、チームとしてもフィジカル面の強化に取り組んできました。その成果、特にFWが前で仕事をしてくれたことで、僕にいいボールがまわってきたと思います。今年のチームスローガンは『ボンド』。選手同士がつながり合うことが大事。それを示せたシーンも多かったと思います」
 殊勲者は、試合を終えたその足で、セブンズ日本代表のディベロップメント・スコッド合宿へ向かった。
 今季から母校を率いている萩井好次監督は、点の取り合いに「まだまだ」としながらも、FWの接点での頑張りが勝利を呼んだと振り返った。
 昨年の大学選手権準決勝で東海大に12-74で敗れた。ブレイクダウンでの劣勢が失点を呼び、自分たちの攻撃力にフタをした。
「あの試合の経験から、接点で体を張れるように、とやってきました。ウエートトレーニングをはじめ、ボールを持たぬ泥臭い練習にも取り組んだ。その成果が、ある程度見えたかな、という気はします。FWが前へ体を張り続けてきたことで、外にいいスペースもできたと思います」
 記念すべき定期戦で笑うことはできた。もっとほしい勝利は、8か月後にある。
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