ラグビーリパブリック

ホームで熱くなれ。激しいタックルを。ジャパン、明日の韓国戦へ覚悟あり。

2017.04.28
2つめのキャップは快勝で。ジャパンの先頭に立つSH流大主将。
(撮影/松本かおり)
 ホームで熱いプレーを見せてほしい。
 ノー、ミスタックル。情熱の指揮官はそう言った。
 4月29日、秩父宮ラグビー場。日本代表が韓国代表と戦う(アジア・ラグビーチャンピオンシップ)。先週(4月22日)、敵地・仁川でおこなわれた第1戦では、同じ相手に47-29と勝った。しかし5トライを許した内容にジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチのはらわたは煮えくり返っていた。
 だから4月28日の試合前日練習を終えた後、冒頭のような言葉が出た。
 第1テストの先発メンバーから8人が変更された。ソフトなディフェンスに満足できないジョセフHCは「全員を落とすわけにはいかない」と話し、メンバーチェンジの理由は「ローテーションでなく、パフォーマンスを見ての判断」とした。
「(スコッド内に)LOが5人いるので、全員を起用したいということはありますが、先週のパフォーマンスを見て決めました。チャンスを与えられたものの、それを失った選手がいます。もう一度チャンスを与えられた者もいる。前回の試合は勝ったけれどパッションがなかった。体を張れていなかった」
「先の対戦時は韓国の方がパッションがあった」と振り返り、「彼らは30パーセント以上(勢いを)あげてくるだろう」と警戒した。
 しかし、ディフェンスではより激しさを求めるけれど、アタックでは広く展開するスタイルを変えるつもりはない。先を見て、取り組んできたアタックを貫く。
「タイトに戦っても(今秋戦う)オーストラリアやフランスには勝てない。広く展開するスタイルは続けるつもりです。先週、アタックはいいところがいくつもあった。ただ、フィフティーフィフティーのパスを放ったり、無理なオフロードパスのせいでうまくいかなかったから、そこを修正できれば」
 ジョセフHCはSHの流大主将に対し、「先週は初めてのテストマッチということもあったし、ディフェンスもよくなかった。でも今週はやってくれるでしょう」と期待をこめた。
 2度目のテストマッチでは快勝したいキャプテンはこの1週間を振り返り、「チームとしてもディフェンスに時間を割いてきたし、全体練習後に個人で取り組んでいる選手も大勢いました。その両面を活かせば、今度の試合はやれると思います」と話した。
 自分自身、満足できるパフォーマンスではなかったと自覚している。その悔しさを晴らすためにも、今週末の試合に向けての準備の中で率先して動いてきた。
「(今週の練習)初日、GPS(全地球測位システム)の数値でも僕がいちばん走っていたと出たのは、気持ちの表われだと思います。このチームで4週間やってきましたが、まだ個々のクセなど分かっていないところがありました。先週の試合では、このメンバーでどう立て直せばいいかが分かっていなかった。うまくいかないときに変えるのがSHの役目なのに」
 若きリーダーはそう反省した後、「本来はSHの自分がタックルせずにディフェンス(全体を)オーガナイズするのが大事なのでしょうが、自分が(タックルを)しなければいけないときには100パーセント決めたい」と覚悟の言葉を口にした。
 キックオフは明日、4月29日の14時7分。ホームのファンに、今度は80分間支配した勝利を届けたい。