ダミアン・マグラス ヘッドコーチを肩車し、初優勝を喜ぶカナダの選手、スタッフ
(Photo: World Rugby / Martin Seras Lima)
今年のシンガポールセブンズは、ワールドラグビーセブンズシリーズ史上初の北米勢同士によるカップ決勝となり、カナダがアメリカを26−19で破り、初優勝を遂げた。カナダは過去、2014年グラスゴー大会(スコットランド)での準優勝が最高位だった。一方、来年7月に自国のサンフランシスコで第7回ワールドカップ・セブンズを控えるアメリカは、ワールドシリーズ初優勝を果たした2015年ロンドン大会(イングランド)以来の栄冠獲得に王手をかけたが、一歩届かず、新たな歴史をつくったライバルに拍手を送った。
今季総合ランキングで上位を走る南アフリカ、フィジー、ニュージーランドが準々決勝で敗れる波乱。アメリカがフィジーに24−19で競り勝てば、カナダは“オールブラックス・セブンズ”相手にネイサン・ヒラヤマがハットトリックを決めるなどして26−14で制し、シンガポールナショナルスタジアムを沸かせた。準決勝ではアメリカがオーストラリアに40−7と快勝、カナダはイングランドを17−5で下し、決勝に進んだ。
そして、ファイナル。
エンジンのかかりが遅いアメリカに対し、カナダは最初の5分間で3連続トライを挙げ、主導権を握った。しかしアメリカは今シリーズ最多トライゲッターのペリー・ベイカーが驚異的なスピードランでチームを目覚めさせ、後半早々に19−19と同点に追いついた。
その後も続いたアメリカの猛攻。しかし、カナダは耐え、逆に5分、23歳のルーカス・ハモンドがめまぐるしい攻防のなか中央を切り裂いてゴールに持ち込み、決勝点となった。
なお今大会、日本は15位タイ(最下位)に終わっている。
今季ワールドラグビーセブンズシリーズは残り2大会。次の第9ラウンドは5月13、14日にパリ(フランス)で開催され、コアチーム残留のためにも上位進出を目指す日本は、カナダ、南アフリカ、スコットランドと同じプールに入った。
熱戦となったカナダ×アメリカの北米勢同士決勝(Photo: Getty Images)
<ワールドセブンズシリーズ 2016-17 第8戦・シンガポール大会>
▽カップ準々決勝(1〜8位)
・アメリカ 24−19 フィジー
・オーストラリア 19−17 南アフリカ
・カナダ 26−14 ニュージーランド
・イングランド 13−12 ケニア
▽カップ準決勝
・アメリカ 40−7 オーストラリア
・カナダ 17−5 イングランド
▼カップ決勝(優勝決定戦)
・カナダ 26−19 アメリカ
▼ブロンズ決勝(3位決定戦)
・イングランド 14−12 オーストラリア
▽5位決定トーナメント準決勝
・南アフリカ 19−14 フィジー
・ニュージーランド 24−21 ケニア
▼5位決定戦
・ニュージーランド 17−12 南アフリカ
▽チャレンジトロフィー準々決勝(9〜16位)
・スコットランド 26−15 香港
・フランス 26−24 アルゼンチン
・ウェールズ 19−12 ロシア
・サモア 26−14 日本
▽チャレンジトロフィー準決勝
・スコットランド 31−12 フランス
・ウェールズ 19−14 サモア
▼チャレンジトロフィー決勝(9位決定戦)
・ウェールズ 24−12 スコットランド
▽13位決定トーナメント準決勝
・アルゼンチン 33−7 香港
・ロシア 24−21 日本
▼13位決定戦
・アルゼンチン 40−19 ロシア