好サポートからトライを挙げる平野優芽。(撮影/早浪章弘)
好敵手は気合い十分だった。体も大きい。スタジアム(SO KON PO RECREATION GROUND)の応援も中国をサポートする声が多かった。
そんな中でサクラセブンズがHSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズ2017-2018コアチーム予選大会の初日全勝を決めた。4月6日の3試合目は21-14。競り勝った。
先手は日本が取った。
立ち上がりは攻め込まれるも、ゴール前で我慢して相手反則を誘う。自陣深くからでも迷わず攻めに転じて敵陣に攻め込むと、4分、スクラムから展開したボールを清水麻有、堤ほの花のループプレーで攻略して右中間に清水が飛び込んだ。
そんなサクラセブンズのリズムが崩れたのは、前半5分を過ぎてからだ。マテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェが相手PK時に邪魔をしたとシンビンとなり、ひとり少なくなった。攻める中国に対し中村知春が粘り強く守るも、反則が重なって中村もイエローカードを出される。その直後の攻撃でトライを奪われた。
前半を7-7で終える。そして後半開始時、ピッチに立っていた日本サイドは5人だった。
数十秒後、マテイトンガが戦列に戻って日本は6人となったが、それでも続いていた数的有利を中国は逃さなかった。スクラムからの攻撃でボールを大きく外に動かし、左サイドを攻略。勝ち越しトライを挙げて14-7とリードしたのだ。
スタジアムは沸いた。しかし、やがて7人に戻ったサクラセブンズは焦らなかった。自分たちのスタイルを貫くことだけに集中した。
中国の反則を何度か誘発して前進した後のチャンスに速攻を仕掛ける。3分40秒過ぎ、タテに出た中村のサポトーについた平野優芽がインゴールに飛び込んだ(コンバージョンも決まり14-14)。そして、残り時間が1分少しになったときだった。敵陣22メートルライン付近、右中間のスクラムから左へ展開する。右へ振り戻し、最後はマテイトンガがインゴールに飛び込んだ。清水のコンバージョンも決まり21-14。全12チームの中のトップで2日目に進むことになった。
初日を全勝で終えた稲田仁ヘッドコーチは、「もっと規律を高めないと。(トーナメント戦となる)明日、同じこと(シンビン)をやったらそこで終わる」としながらも、「(防御の)ウラに出たときにつながるようになプレーが出てきたのはいい」とチームの高まりも感じていた。
山中美緒主将はコアチーム昇格まであと3試合に迫って、こう言った。
「アタックでは三角サポート。ディフェンスでは前へ出る。自分たちがやるべきことを明日もやる」
2日目の初戦、準々決勝で戦う相手はふたたび中国となった。それに勝てば、舞台を香港スタジアムに移し、準決勝、決勝を戦う。
世界のファンに知られるスタジアムで、会心の試合を2試合続けられたらコアチームへ昇格だ。若い力がさらに勢いを増すなら、咲いたサクラに大歓声が注がれる可能性は高まる。