ラグビーリパブリック

2戦目のオランダ戦は逆転勝ち。サクラセブンズ、コアチーム昇格へまた一歩前進。

2017.04.06
チャンスメークもフィニッシュも。サクラセブンズ清水麻有。
(撮影/早浪章弘)
 前戦のジャマイカ戦とは違い、立ち上がりに少し嫌な空気が流れた。HSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズ2017-2018コアチーム予選大会の第2戦だ(4月6日)。
 キックオフボールをオランダに確保されると、守りで反則をとられた。そこから右タッチに蹴り出そうとしたPKが出ず、サクラセブンズはそのボールを受けて逆襲。しかし、敵陣深くまで攻め込むも届かなかった。仕切り直しのスクラムから攻撃,インゴールに迫ったが、パスがこぼれたところを拾われて90メートル近く走り切られた。オランダに先制トライを許した(2分20秒)。
 その後もなかなかボールが出につかなかった。桑井亜乃のトライで5-5と追いついたのは前半終了間際。勝負は後半の戦いに託された。
 しかしハーフタイム、稲田仁ヘッドコーチ代行はあまり多くのことは言わなかった。初戦では少し不満だったディフェンス面を意識してプレーしているのが伝わってきたからだ。
「一人目がもっと低く、二人目がもっと早く。初戦よりそこを高めようと話しました。そこができていたので、あまり細かいことは言いませんでした」
 ハンドリングミスも少し目立ったが、アタックの大枠は悪くなかった。相手より先にポジショニングし、もっと前に出よう。それだけ言って選手たちをピッチへ送り出した。
 後半のスタートも、サクラセブンズの反則から始まった。オランダが蹴ったPKがタッチに出なかったところまで同じ。しかし、今度はそこからのカウンターアタックで仕留めた。火水麻有が思い切り良く走り、堤ほの花につなぐ。その後、ふたたび清水が駆けて勝ち越しトライ(10-5)。3分20秒にはターンオーバーから攻め、清水が平野優芽につないで決めた(17-5)。
 試合直前には敵陣深くで得たPKから前へ攻め立て、最後は中村知春がインゴールに飛び込んだ。最終スコアは22-5だった。
 初戦、この試合と、マテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェら経験のある選手たちが要所で働き、流れを引き寄せるシーンが目についた。特に横尾千里の迷いのないプレーは苦しい局面で仲間を勢いづけた。
「若手がもっと思い切って持っている力を出してくれたら、もっとよくなる」
 次の中国戦、指揮官の声は届くだろうか。
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