3月15日、韓国は「2017年春季リーグ戦」で幕を開ける。開幕カードは高校の忠北高×裡里工業高(イリ)。会場は慶山市ソンファ・ラグビー場でおこなわれる。
<社会人が3年ぶり開催>
■韓国電力×現代(3月18日)、ポスコ×現代(22日)、ポスコ×韓国電力(26日)
今年の大きな特徴は、3年ぶりに一般(社会人)3チームが参加し戦う。
昨年、全国体育大会Vなど2冠のポスコ建設に、同大会2位で新興・現代グロービス。さらに昨年は7人制、15人制代表に多くの選手を出し、ケガなどで全国体育大会5連覇を逃した韓国電力だ。韓国軍体育部隊(尚武)は、新人選手が2月までおこなう軍事訓練の影響でコンディションが整わず参加しない。
ポスコはLO李ジンソクがNECグリーンロケッツに移籍した。ベテランで昨年はケガで出場できなかった元三菱重工相模原NO8李昡羽(イ・ヒョンウ)と元NTTドコモSH安スンヒョクが戻ればレベルがアップする。コーチは元三洋電機PR金光模(キム・グァンモ)。
現代は尚武で兵役を終えた代表PR羅官榮(ナ・グァンヨン)、LOチェ・ガンサン、CTB林東建(イム・ドンゴン)の3人にFL金度根(キム・ドクン)が加入した。いっぽう代表PRで元NEC康太見(カン・デヒョン)ら3人が尚武で兵役を過ごすために入隊した。
韓国電力は、経験豊富な選手に期待。
ポスココーチは元三洋電機の金光模(左)
<高麗大は李光紋新監督が指揮>
■高麗大×慶煕大(3月17日)、延世大×高麗大(21日)、延世大×慶煕大(25日)
大学A(1部)は、昨年Vの高麗大、延世大に慶煕大だ。伝統の高麗大×延世大戦は3月21日だ。
高麗は金聖男(キム・ソンナム)監督が事情で辞めた。後継は2年前に帰国しコーチに就任した李光紋(イ・グァンモン)氏となった。李新監督は東芝を退団し帰国した代表経験豊富なLOだった。サントリー、トヨタ自動車でもプレーし日本でもおなじみ。ポスコと合同練習を組んだ。「去年までのシステムを変える。モールを重視」と意気込む。
一方、ライバル延世は暖かい台湾で合宿をおこなった。昨年から元クボタSH李明根(イ・ミョングン)コーチが鍛える。李コーチは「台湾では1対1の対応とディフェンスに重点を置いてトレーニングを積んだ」という。
代表でも一緒に戦った元日本チーム所属の指導者の戦いに期待だ。
高麗大新監督に就任した元東芝の李光紋(写真中央)
李明根(元クボタ)は延世大コーチ2年目だ
<高校は優勝候補の富川北高、白新高にミョンソク高が挑む>
高校は15チームが予選で4組に分かれリーグ戦をおこない、上位8チームで決勝トーナメントを争う。3月15日〜20日までリーグ戦。決勝は26日。
優勝候補は、昨年3冠の富川北と2冠の白新。同じD組となり、18日に対戦する。
A組のミョンソクは優勝を狙う。昨年、全国体育大会決勝で富川北に完敗。2月に来日し2週間、流経大で合宿をおこなった。「基本技術を確認した。パスが大事と選手に伝えている」と元クボタの金泳男(キム・ヨンナム)コーチは言う。練習試合では常にフォーローしつなぐスタイルで東京高に競り勝った(トライ数は6−4で、スコアは38−24)。清真学園にも勝ち、茗渓学園とはトライ数で引き分け、昌平高には21−22で惜敗と、好成績を残した。東京高の森秀胤監督は「関東地区でもベスト4前後の力がある」と話していた。忠北との争いに(19日)。
強豪ソウル大附属はB組で1位通過が有力だ。インターナショナルスクールでイングランド出身コーチが教える済州NLCSが面白い存在になる。
ソウル市内のライバルで伝統校、養正と培材はC組で戦う(16日)。
ミョンソク高で基本を教える金泳男コーチも元クボタ
<中学は参加校減少>
昨年より3校少ない5校で争う。ソウル大附属、養正、済州NLCSの争いになる。培材、地元・慶山などが参加を辞めた。3月15日〜19日でリーグ戦。決勝は23日。
(文・撮影/見明亨徳)