アメリカのラスベガスで3日間にわたり開催されてきた「HSBC ワールドラグビーセブンズシリーズ 2016-2017」(男子)の第5ラウンドは、日本時間6日に順位決定戦がおこなわれ、13位以下のトーナメントに臨んだ日本は同1回戦で招待チームのチリを24−7で下したものの、ウェールズに19−21で惜敗し、14位に終わった。
チリ戦はベテランの橋野皓介(キヤノン)が日本に流れを呼び込んだ。
キックオフで、ボール争奪にいった相手選手がジャンプして味方側に落とそうとしたところを、読んでいた橋野がスチールしてそのままゴールに持ち込み、幸先のよい立ち上がりとなった。
前半3分頃には、チリがパスをつないでゴール左に迫ったが、中野将宏(九州共立大3年)がギリギリで止め、ピンチを脱出。
すると5分、坂井克行(豊田自動織機)が左サイドで1対1となって振り切り、トライを挙げて12−0で前半を終えた。
後半早々にチリに得点を許したが、日本は4分に再び橋野が会場を沸かす。敵陣深くでのスクラム後、SH加納遼大(明治安田生命)がプレッシャーをかけられたものの、橋野が股抜きのクイックパスでパトリック・ステイリン(日本IBM)につなぎ、パワフルなステイリンが相手選手を引きずりながらインゴールにねじ込んだ。1分後には副島亀里ララボウ ラティアナラ(コカ・コーラ)がダメ押しトライを挙げ、今大会初勝利となった。
最終戦を勝って終わりたかった日本だが、今季総合ランキング7位(前ラウンド終了時)のウェールズを倒すことはできなかった。
この日のラスベガスは強風で、開始早々、加納が自陣深くでのロングパスをインターセプトされ、失点した。
しかしリスタート後、加納は自らのミスを帳消しにするかのように、自陣22メートルライン内から快足を飛ばし、そのまま80メートル以上走り切ってゴール左隅に飛び込んだ。
流れを引き戻した日本は2分過ぎ、今大会でキャプテンを任された小澤大(トヨタ自動車)がディフェンスを突破し、逆転のトライを挙げる。
しかし前半終了前、副島が1対1の状況になってタックルを外され、ウェールズが再逆転、12−14で折り返した。
それでも日本の奮闘は続き、後半1分過ぎに敵陣深くで、加納とシザーズして内に切り込んだステイリンが防御網を破り、ゲームをひっくり返す。
が、ウェールズは4分、自陣でのスクラムからショートサイドを攻め、約60メートル走り切り、これが決勝点となった。
コアチーム残留を目指す日本だが、現在、同じステータスを持つ15チームのなかで総合順位は最下位。それでも、日本より1つ上(総合順位:14位)のロシアは、ラスベガス大会は15位タイに終わっており、獲得ポイントの差は7に縮まっている。
残りは5大会で、次は今週末にバンクーバー(カナダ)でおこなわれる。