気持ちを高める立川理道主将。(撮影/?塩隆)
スーパーラグビー2季目へ準備を重ねるサンウルブズは、2月18日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州で壮行試合をおこなう。自軍選手9名を含むトップリーグ選抜を向こうに、シーズン序盤戦の主力候補が最終調整をおこなう。
「紅白戦のようになると思いますし、向こうもこちらのやることがわかっている。競った展開になると思う。自分たち1人ひとりの姿勢が大事になる」
そう語るのは、当日リザーブスタートとなるCTBの立川理道主将だ。2月5日から約1週間あった福岡合宿後に日本代表経験者9名が故障などで離脱したなか、FLのエドワード・カーク主将とともにチームを先導する。
「そこ(主力の離脱)への不安はないですし、若い選手にとってはいいチャレンジ。もちろん結果を求めてやりますけど、その結果が出なかったから…という風(後ろ向きな状態)にもならない」
発足2季目の今季。ナショナルチームとの連関性をより強める。スコッドの編成や採用する戦術については、日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチ(HC)の意見を大きく取り入れている。
松橋周平は、クラブ全体の様子を「グラウンド外でもコミュニティーを作ったりして、皆がリーダーシップを出せる雰囲気がある」。昨季は国内最高峰のトップリーグで新人賞を獲得したリコーのNO8。自分を含めた若手の意見も吸い上げる、ボトムアップ型の組織に居心地の良さを覚えたようだ。
2月18日は控えに回る。自分の務めそうなオープンサイドFLとNO8の役割を、明確に整理してスタンバイする。
「仕事を理解して、どれだけ(遂行)できるかが大事になってくる。NO8なら(タッチラン際などで)ゲインをして、ボールを繋ぐ。オープンサイドFLなら(両端の)15メートル線の間でしっかりとファイトして、外にいいボールを渡す。そこで、僕の強みをしっかりと出していきたい」
2月17日、試合会場での前日練習。ジャパンと任務を掛け持ちするサイモン・ジョーンズS&Cコーチが冒頭のセッションを引っ張る。「ミギ!」「ヒダリ!」「マエ!」「ヒダリ!」と、日本語で声を発しながら選手にステップを踏ませる。これは2月以降の習慣だ。2月1日にスタートした都内の合宿では、開幕以後を見据えたようなフィットネス練習もおこなわれた。
初年度に主将を務めたHOの堀江翔太は、今季の準備内容にこう触れた。
「(昨季とは)違うと思いますよ。練習も、何か月か先を考えてスマートにやっているんだろうなという感じもある」
対するトップリーグ選抜は、ジャパンのジョセフHCが指揮。HOの庭井祐輔らサンウルブズのレギュラー入りを目指す選手もピックアップされている。それだけに、先発出場の堀江は「お互いに戦術、戦略を知っている。難しい試合になるかもしれない」。立川の言葉を補足するように話す。
それでも堀江は「このプレッシャーに負けるようでは今後もいい試合はできない。負けられないです」とも発す。
同時期の2013年からスーパーラグビーの海外チームで戦ってきたSHの田中史朗は断じる。
「いい状態で来ている。トップリーグとスーパーラグビーの違いを見せつけるような、プライドを持った戦いができればいいと思います」
スタジアムのこけら落としでもある80分は、14時、キックオフ。
(文/向 風見也)