ヨーロッパの強豪6か国が国家の威信をかけて戦う「シックスネーションズ」が2月4日に開幕し、オープニングゲームでは、スコットランド代表が地元エディンバラのマレーフィールドでアイルランド代表を27−22で下した。
スコットランドがアイルランドに勝ったのは4年ぶり。連覇を狙うイングランド代表の対抗馬と目されていたアイルランドを破り、18年ぶりの優勝へファンの期待は高まる。
スコットランドは前半8分、ゴールに迫って近場をFWが突いたあと大きく右へ振り、FBスチュアート・ホッグが先制した。前回大会のMVPであるホッグは20分にも突破力を発揮して連続トライを挙げ、チームを勢いづけた。
アイルランドは25分にWTBキース・アールズが5点を奪い返したが、スコットランドは28分、敵陣深くでのラインアウトでサインプレーを見事に決め、流れを引き戻す。スローワーのHOロス・フォードは意表を突いて列にまじっていたCTBアレックス・ダンバーに合わせ、ノーマークだった紺色ジャージーの12番がゴールラインを割った。
しかし、昨年11月にシカゴ(アメリカ)で、当時18連勝中だったニュージーランド代表から歴史的初勝利を挙げるなどして世界ランキングを4位に上げたアイルランド代表は、後半にチーム力を発揮して盛り返す。
21−8とスコットランドが13点リードして折り返したが、アイルランドは47分(後半7分)、ゴール前中央付近でのスクラムからテンポよく攻めたて、密集でボールをピックアップして突っ込んだLOイアン・ヘンダーソンがライン上に押さえ、21−15となった。
その後、得点チャンスを2回阻まれたアイルランドだが、61分、16フェイズを重ねたあと、10番をつけたパディー・ジャクソンが防御網を突破してインゴールに押さえ、自らコンバージョンキックを決めて21−22と逆転した。
しかし72分、アイルランドは自陣22メートルライン付近で反則を犯し、スコットランド主将のSHグレイグ・レイドローがPGを決めて再逆転。最後まで攻めたスコットランドは試合終了前にもPGで加点し、2017年の第1戦を白星で飾った。
今年5月には、その時点での世界ランキングをもとにグループ分けしてラグビーワールドカップ2019の組分け抽選をおこなうことになっており、シックスネーションズは、ランキング変動に影響する最後の大会としても注目が集まる。