ジャパンラグビートップリーグ2016−2017は1月14日に最終節の全8試合がおこなわれ、ノエビアスタジアム神戸でサントリーが神戸製鋼を27−15で下し、15戦全勝で4季ぶり4回目の優勝を遂げた。個人成績のトップも同チームの選手で、187得点のSO小野晃征が得点王、17トライのWTB中?隆彰が最多トライゲッターとなった。
神戸製鋼で5年間プレーしてきた元南アフリカ代表のジャック・フーリーにとっては現役生活最後の試合となった。2007年のワールドカップ優勝に大きく貢献し、世界最高のアウトサイドセンターといわれたビッグスター。パナソニックに在籍していた2011年度を含めてトップリーグのベストフィフティーンに選出されること4回、2013年度は17トライを挙げてトライ王になるなど、日本ラグビー界でも存分に力を発揮した。今季は怪我もあって7試合のみの出場となったが、ラストゲームは22番をつけて後半19分から勇姿を披露した。
サントリーとの直接対決に敗れ、同時キックオフだった神戸会場の結果も気になる立場だった2位のヤマハ発動機は、トヨタ自動車に27−8で勝利。トップリーグ初優勝は逃したが、1月21日から始まる日本選手権でリベンジを狙う。
プレーオフがなかった今季、大会前半に2敗を喫して史上初の4連覇は達成できなかったパナソニックだが、最終戦は長年のライバルである東芝を15−14で下し、日本選手権にはずみをつけた。
東芝はチーム史上ワーストの9敗を喫し、最終順位は9位。パナソニック戦は1本のトライも許さなかったが、2点リードで迎えたロスタイムに相手SO森谷圭介にこの日5本目のPGを決められ、最終戦を白星で終えることはできなかった。
ロブ・ペニー体制となって3季目だったNTTコミュニケーションズは、クボタを27−17で下し、9勝6敗としてチーム歴史で最高の5位でシーズンを終えた。一方、フラン・ルディケ ヘッドコーチが率いて1年目だったクボタは6勝1分8敗(12位)という成績だった。
永友洋司監督の退任が発表されていたキヤノンはHondaを28−26で下し、指揮官のラストゲームを白星で飾っている。自動降格が決まっていたHondaは敗れたものの最後まで奮闘し、再びトップリーグへ戻るという強い決意をファンに示した。
9連敗だった近鉄は同じく入替戦出場が決まっていた豊田自動織機に26−24で競り勝ち、白星で締めくくった。
1月28日の入替戦に出場するもう1チーム、コカ・コーラは、リコーに14−33で敗れ、課題を修正してトップリーグ残留をかけたサバイバルマッチに臨む。 一方、昨季入替戦を経験したリコーは、今季は8勝7敗と勝ち越し、チーム史上最高の6位で充実したシーズンを終えている。
そして、トップリーグに復帰してチャレンジャー的立場だった宗像サニックスは、1シーズン最多の7勝を挙げて戦いを終えた。1月7日にチームの代表だった宗政伸一社長が亡くなり、必勝を期して臨んだNEC戦。社長が好きだったランニングラグビーにこだわった。2点リードしたままラスト約15分間を自陣で耐え続け、それでも最後に反則を犯して、ホーンが鳴ったあとNECのSO田村優が入れば逆転となるPGを狙ったが、ショットはわずかに右へ外れ、宗像サニックスが26−24で歓喜した。藤井雄一郎監督は「最後、おそらくあのゴールキックは、ウチの社長がはたいてくれたんじゃないかなと思います」と言って、寂しそうに笑った。
(撮影:Hiroaki. UENO)