トップリーグ昇格を目指す三地域リーグ上位チームの戦い、トップチャレンジ1の第2節が1月9日に福岡・レベルファイブスタジアムでおこなわれ、NTTドコモレッドハリケーンズが同じく白星発進していた九州電力キューデンヴォルテクスを39−12で下し、自動昇格へ大きく近づいた。
試合は快勝とはならなかった。17−0で折り返しながら、アグレッシブな九州電力に追い上げられ、後半22分には22−12と10点差まで詰められた。
「九電は非常にパッションあふれるプレーをしてきた。我々も必死にやって頑張らなければこの勝利はなかったと思う」とドコモのダヴィー・セロン ヘッドコーチは試合を振り返る。「我々は、今日はベストパフォーマンスはできていなかったと思う。10本以上、プレッシャーのないところでのミスがあった。状況判断もすばらしいものとはいえなかった。それでも、39−12で勝てたのは嬉しく思っている。しかし、我々が掲げるスタンダードに到達するまでにはかなりのステップアップをしなければいけない」
ドコモが苦しんだ原因のひとつは、九州電力の激しいタックルの連続だった。グラウンドにいる者すべてが躊躇なく勇敢に突き刺さった。身長187センチ、体重122キロのLOイオンギ譲など、突破力があるドコモの選手をファーストタックラーと2人目でがっちり止め、接点でも観衆を興奮させるようなファイトをした。
九電は前半10分にラインアウトモールで一気に押し込まれ、23分にはハーフウェイ付近でパスを乱してドコモのWTB茂野洸気に走られた。後半14分にはハイパントボールをうまく処理できず失点し、イエローカードをもらって数的不利となった終盤に立て続けにゴールラインを割られるなど、結果的に6トライを奪われたが、80分間やり続けたハードなディフェンスが接戦とした。
九電の瓜生丈治監督は言う
「負けてしまったが、選手たちは我々が本気でトップリーグを目指しているという覚悟を80分間余すところなく見せてくれた。結果には満足していないが、試合内容や選手のパフォーマンスには満足している」
ドコモが2試合連続でボーナスポイントを獲得し、総勝点10としたのに対し、総勝点4の九州電力は自動昇格の可能性は消滅した。しかし、昇格を目指す戦いはまだ続き、入替戦へ向けて調子を上げていくうえでも次の日野自動車レッドドルフィンズ戦は重要になってくる。
「今日の試合の入りは、ドコモさんがファーストプレーで勢いに乗るようなプレーをしてきたが、本来なら自分たちがやるべきプレー。(次戦は)最初のファーストプレーを意識して、入りの部分で圧倒していきたい」と中?憲章主将は語る。「あと、今日はドコモさんのブレイクダウンのプレッシャーにやられてしまって、なかなかクリーンなボールを出せなかったことも敗因。自分たちの強みとしてきたところなので、寄りの速さや枚数など、細かいところを整備しなければいけない。で、ボールを継続して、自分たちのいいアタックをしていきたい」
一方、自動昇格に王手をかけたNTTドコモの指揮官は次の三菱重工相模原戦に向け、「相手はフィジカルを活かした戦いをするが、我々もフィジカルな展開を望んでいる。さらに、我々は速いテンポで、スピーディーな展開を、寝てもすぐに起きて次のアクションに戻るというところを心掛けて臨む」と語った。
九電戦の前半に左肩を負傷して交代した中心選手のFLハインリッヒ・ブルソーは、「今後のことを考えて安全策を取ったが、大丈夫だと思う」と力強く語った。