全国高校ラグビー大会で最多出場(66回)と最多優勝(15回)を誇る秋田工業だが、第96回大会は初戦となった報徳学園(兵庫)との2回戦に19−24で敗れ、正月前に花園から姿を消した。
序盤の約6分間を敵陣で攻め続けた秋田工だったが得点にはつながらず、逆に9分、ゴール前でフェイズを重ねた報徳学園に先制を許した。CTB江藤良が最初のスコアラーとなる。報徳学園はさらに15分、CTB江藤のオフロードをもらったSO山田駆がゴールに入り、12点リードを奪った。
追う秋田工は18分、身長191センチ、体重95キロでスピードもあり“怪物”と呼ばれる2年生CTB、児玉樹が防御網を切り裂いてチーム初トライ。
しかし報徳学園は22分、モールで前進し、HO小池健雄がインゴールに突っ込んで流れを引き戻した。26分にもラインアウトからモールで押し込み、報徳学園が24−7とリードして前半を終えた。
秋田工は後半15分、高校日本代表候補の大型LO桑原真諭が豪快にゴールへ突っ込んで5点を奪い返し、21分にはゴール前のPKからパワープレーでHO松本悠樹がトライを挙げ、コンバージョン成功で5点差に詰めた。
秋田工は残り1分を切って敵陣深くに入り、PKを得たあとタップから攻めてゴールに迫ったが、報徳学園の堅守でボールはこぼれ、直後、ノーサイドの笛が鳴って激闘は終わった。
石見智翠館のFL中島俊輔を止めに行く東農大二(撮影:松本かおり)
その報徳学園と3回戦で激突することになったのは、Bシードの石見智翠館(島根)だ。2回戦で東京農業大学第二(群馬)と対戦し、39−0と快勝した。
序盤にボールをキープしてFL中島俊輔がゴールに突っ込み先制すると、ディフェンスで辛抱したあとの前半20分には、モールから抜けたFL中島が連続トライを挙げ、チームは活気づいた。22分にはゴールへ独走状態にあったWTB鎌田進太郎を東農大二のFB中村春斗がトライ寸前で外に押し出すファインプレーがあったが、直後の東農大二のラインアウトは乱れて石見智翠館がボールを奪い返し、LO小林誠大がゴールに持ち込んでリードを広げた。28分には自陣深くのブレイクダウンでターンオーバーしてから攻め上がり、高校日本代表候補の快足WTB仁熊秀斗が50メートル走り切り、22−0。石見智翠館は後半も3トライを追加し、無失点で戦い切っていいムードのまま元日決戦に臨む。
高鍋(白キャップ)は奮闘したが、京都成章に完敗(撮影:松本かおり)
同じくBシードの京都成章(京都)は、2回戦で高鍋(宮崎)に46−5で勝利。
PGで先制した京都成章は前半12分、相手ボールのラインアウトでスチールしたあとFWが連続でゲインし、展開してBKがつなぎWTB末廣賢三が最初のトライを決めた。19分にはSO西川虎哲が出足鋭くプレッシャーをかけにいった高鍋10番の井俣暁登を払いのけ、ゴールに持ち込んだ。
15−0で迎えた後半の5分には、CTB堀毛開登がゲインしたあとWTB笹岡海斗につないでリードを拡大。京都成章ペースは変わらず、8分にU20セブンズ日本代表でもあるSO西川が快走すると、13分にも高鍋のしぶといディフェンスを崩して途中出場CTB小菅由一郎がインゴールに飛び込み、32−0とした。
高鍋は19分、CTB杉道世のパワフルランでゴールに迫り、フェイズを重ねてFL平岡瑞樹が執念のトライを獲得。
しかし、京都成章はその後2トライを奪い返し、大差で決着がついた。
京都成章は1月1日、同じBシードの中部大春日丘(愛知)と対戦する。