ラグビーリパブリック

初出場の玉島、熊本の九州学院は初戦敗退。東北王者の仙台育英は2回戦へ

2016.12.28

初トライへ! ゴールに迫る玉島のSO坂本達哉(撮影:松本かおり)

 2016年12月28日は岡山県立玉島高校にとって歴史的な一日となった。全国高校ラグビー大会に初出場し、東大阪市花園ラグビー場の第2グラウンドで強豪の日本航空高校石川に挑んだ。5−93で大敗。しかし、勇敢なチャレンジで大きな一歩を刻んだ。
 序盤、玉島は硬かった。パスが乱れて開始1分も経たぬ間に失点する。その2分後には日本航空石川のSH藤原忍が大きくゲインしてWTBシオサイア・フィフィタがトライを奪った。北信越チャンピオンはさらに6分、自陣でのターンオーバーから一気にゴールへ持ち込み、リードを広げた。
 玉島はCTB名田怜央やSO坂本達哉が好走し、HO池上陽平や高校日本代表候補PR横田優人らの低く激しいタックルもあったが、流れを変えることはできず、日本航空石川に計15トライを重ねられた。
 意地を見せたい玉島は後半8分、敵陣22メートルライン内に入ったが、カウンターラックでボールを奪われた。パワーとスピードで圧倒する日本航空石川をなかなか崩すことができない。しかし19分、WTB井上和馬の果敢なランと連続攻撃で活気づく。いったんプレーは止まったが、敵陣深くでのアタックチャンスとなり、21分、中央のラックから左へ展開して3年生のSO坂本が軽快な身のこなしでディフェンスを破り、初トライを獲得した。
 大敗を喫した玉島だが、初めての花園で5点を刻んだ。精いっぱいやり切った60分間だった。
 勝った日本航空石川は、今大会でベスト4を目標に掲げる。30日におこなわれる2回戦の相手は、Bシードの國學院栃木だ。

九州学院(左)と朝明のスクラム(撮影:松本かおり)
 今年4月の震災後、復興へ向かっている熊本県からは九州学院が花園出場となったが、朝明(三重)に7−43で敗れた。
 九州学院は立ち上がりがよく、序盤からゴールに迫ったが、朝明の守りは堅かった。ピンチを脱出した朝明は7分、敵陣深くに入って密集をSH内山大也が抜けて先制。13分にはラインアウトからモールで押し込み追加点。
 九州学院は15分、SO汐田伊吹がキックチャージし、足にかけてインゴールへ転がしたボールを追ったが、グラウンディングできなかった。
 九州学院にプレッシャーをかけ続けて流れを切らさなかった朝明は、25分、HO酒井星河がゲインしたあとWTB梶島丈拳につなぎ、19−0として前半を終えた。
 九州学院も懸命のディフェンスを続けたが、朝明は後半にも連続トライでリードを拡大。
 それでも、九州学院は最後まで果敢にゴールを目指し、後半24分、敵陣深くで相手がパスを乱しインゴールに転がったボールを1年生SH西山将樹が押さえ、1トライを挙げた。試合終了前にもチーム一体となってボールをつなぎ、ゴールに迫ったアタックにも魂がこもっていた。
 勝った朝明は2回戦に進み、次はBシードの大阪桐蔭に挑む。

モールで押す若狭東と、踏ん張る仙台育英(撮影:松本かおり)
 第1グラウンドでの第1試合は、東北王者の仙台育英(宮城)が若狭東(福井)に54−10で快勝した。
 前半早々、若狭東にモールで押し込まれ先制を許した仙台育英だったが、7分、同じ攻め方でやり返し、コンバージョン成功で逆転した。12分にはテンポよくボールをつないで主将のHO小林壯史がトライ。18分と24分にはWTB大森寛治が抜け、21分にはFW8人がスクラムでターンオーバーしたあとボールを持ちだしたSH村上陽平がゴールへ運び、リードを広げた。
 若狭東はハーフタイム前にFWがパワープレーで挑み、NO8安藤淳が2本目のトライを挙げたが、後半も仙台育英ペースは変わらず、FB萬田開人の好走もあってトライを重ね、決着がついた。
 仙台育英は2回戦でBシードの中部大春日丘(愛知)と対戦する。
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