2試合とも後半に風上に立った方が勝った。しかし、両試合の内容はまったく違った。
12月11日、関東大学対抗戦A・B入替戦が熊谷ラグビー場(Bグラウンド)でおこなわれた。強い風が吹く中で、対抗戦Aの2チームが残留を決めた。
快勝だったのは日体大(A-7位)だ。第1試合で明治学院大(B-2位)を52-21で破った。勝者はPGで先制を許したものの、風下ながらBKフロントスリー(SO石田一貴、CTB石田大河、沖野早十)が呼吸の合ったコンビネーションで防御を崩す。FB中野剛通も巧みに走り、前半で5トライを挙げた(33-9)。
うまくチームをリードしたSO石田一貴が言った。
「FWがいいボールを出してくれたお陰です」
田沼広之監督は「(反則などしないように)我慢しようと言って試合に臨みました。一人ひとりが持ち味を出せた」と話した。
第2試合は激戦となった。立教大(A-1位)は先制トライを奪い、最後の最後まで一度もリードされることがなかったが、26-22で迎えたインジャリータイムにトライ(コンバージョン)を許し、26-29と敗れた。
風上からスタートした立教大は強い風を背に攻め込んだ立ち上がり、ラインアウトからフェーズを重ね、最後はCTB諫山純弥がトライ(前半4分)。26分に追いつかれるも、前半29分、38分に加点して21-7とした。後半に入って風上に立った成蹊大に13分間で10点を返されるも(1T1G1PG)、17分にはスクラムターンオーバーからいっきに攻め切る。26-17として勝利に近づいたように見えたが、リードを守ることはできなかった。
痛かったのは終盤のミスだ。26分に成蹊大陣深くのラインアウトでノットストレート。チャンスを逃す。31分には自陣でのラインアウトでふたたびノットストレート。ピンチを広げ、トライを許した(37分、26-22と迫られる)。
そして迎えた後半38分過ぎ。濃紺のジャージーは自陣深くのラインアウトでまたもノットストレート。そこからゴールラインを背に守り続ける時間となった。
前半からスクラムとFWの密集戦で上回っていた成蹊大にとっては、自信のある地域でのラストチャンス。固まりとなって押し込み、反則を誘ってはジリジリとトライラインに迫る。最後はNO8清水挙がボールをインゴールに押さえた。
大詰めの数分間、FWの後方で落ち着いて指示を出し、コントロールし続けたSH平丸敬大主将は言った。
「全員がキツイことを1年間やってきた。最後の最後にそれを出せた」
涙と喜びが溢れ出た。
第1試合は日体大が明治学院大に快勝。(撮影/松本かおり)