ジャパンラグビートップリーグは4日、第10節の残り3試合がおこなわれ、2敗差で先頭集団を追う前王者の3位・パナソニックと4位・神戸製鋼がともに勝ち、逆転優勝に望みをつないだ。
パナソニックは本拠地・群馬の太田市運動公園陸上競技場でクボタと対戦し、34−25で勝利。
追いつ追われつの展開となったが、前半37分、学生トップリーガーのSO山沢拓也がキックレシーブからのカウンターでタッチライン沿いを大きくゲインし、WTB山田章仁がサポートして逆転した。
しかし17−11で迎えた後半早々、この試合がトップリーグデビューとなったクボタのWTBパトリック・オズボーンがインターセプトトライを挙げ、ゴールキック成功で再びゲームはひっくり返る。44分(後半4分)にはFB笹倉康誉が危険なプレーでレッドカードとなり、パナソニックはピンチとなった。
それでも、14人で奮闘して敵陣でのプレーを続け、54分、ゴール前スクラムからのアタックで右へ振り、CTBリチャード・バックマンからオフロードパスをもらったゲームキャプテンのWTB北川智規が逆転トライを挙げ、チームを活気づけだ。北川はこれで、トップリーグ史上2人目となるリーグ戦通算100トライを達成。109トライを挙げているキヤノン所属(前サントリー)のWTB小野澤宏時に次いで、レコードブックに名を刻んだ。パナソニックはその後、山沢のブーツで加点し、70分にはLOヒーナン ダニエルもスコアラーとなり、勝利。
パナソニックは8勝2敗(総勝点38)。クボタは3勝1分6敗(総勝点15)となった。
家族と一緒に記念写真を撮る北川智規(撮影:YOSHIO ENOMOTO)
神戸製鋼は福岡・グローバルアリーナで宗像サニックスと対戦し、60−21と圧倒。前半の30分間で6連続トライを挙げて勝負をほぼ決め、ハーフタイム前と後半の立ち上がりに反撃を受けたが、WTB山下楽平の2トライなどでリードを拡大。前半からパワフルな走りを披露していたCTBトニシオ・バイフは終盤にもフットワークよくゴールへ持ち込み、ハットトリック達成となった。
ボーナスポイントを獲得した神戸製鋼は、パナソニックと総勝点で並んでいる。宗像サニックスは連敗で5勝5敗(総勝点21)となった。
もう1試合は鹿児島・鴨池陸上競技場でおこなわれ、14位に低迷していたコカ・コーラが昨年度準優勝チームの東芝を22−17で下している。コカ・コーラが東芝に勝ったのは初めて。
FBコーリー・ジェーンのトライで東芝が先制したが、コカ・コーラは前半15分にスクラムでターンオーバーしてゴール前のチャンスとなり、キャプテンのFL山下昂大がゴールに持ち込んで同点。その後、PGで勝ち越すと、26分にはCTBティモシー・ラファエレのキックをチェイスしたWTB猿楽直希が足でコントロールしてボールを確保し、チーム2トライ目。37分にはテンポの良いチームアタックをSH香月武がフィニッシュし、リードを広げた。
後半は無得点に終わったコカ・コーラだが、東芝の反撃を2トライ1ゴールに抑え、金星獲得。
コカ・コーラは2勝8敗(総勝点12)、東芝は4連敗で4勝6敗(総勝点22)となった。
神戸製鋼の山中亮平にダブルタックルするサニックスの福坪龍一郎(左)と隈本浩太(撮影:Hiroaki.UENO)