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電力会社同士の決勝は九電に軍配 中国電力はトップチャレンジでの再戦目指す

2016.12.03

中国電力のFL松永浩平にタックルする九州電力のNO8井上敬浩(撮影:Hiroaki.UENO)

 トップリーグ昇格を目指す地域リーグ上位チームのチャレンジシリーズがいよいよ始まる。イーストディビジョン1、トップウエストA、トップキュウシュウAで2位だったチームが総当たり戦をおこなうトップチャレンジ2は12月3日に開幕。まずは、東京・秩父宮ラグビー場で日野自動車(イースト)と中国電力(キュウシュウ)がぶつかる。それに中部電力(ウェスト)も加わり、この戦いで1位になれば、各リーグの優勝チームが待つトップチャレンジ1に進むことができる。
 中国電力エネルギアはトップリーグ昇格よりも、同じ電力会社でライバルチームの九州電力と再戦したい思いが強いだろう。今季トップキュウシュウAの予選リーグは全勝で1位通過したものの、11月27日に福岡・レベルファイブスタジアムでおこなわれた同決勝リーグの最終節で九電に14−24で逆転負けを喫し、唇をかんだ。
 中国電力の強みは、低く激しいタックルの連続だ。九電戦、前半からベンチは「刺され、刺され!」とゲキを飛ばし、選手たちはその言葉通り、自陣深くに入られてもなかなかゴールラインを割らせなかった。ラインを越えられてもグラウンディングを許さないしぶとさがあった。4季ぶりの日本最高峰リーグ復帰を目指す九電に、後半先に点を取られ逆転されたが、帝京大出身で2年目の俊敏な塚本奨平がギャップを突いてゴールに持ち込みゲームをひっくり返す。強豪大学出身選手が増えたこのチームでキャプテンを務めるのは明治大でも活躍したSO染山茂範で、26歳の司令塔はキックを巧みに使って相手を揺さぶった。
 しかし、後半20分台、ブレイクダウンとセットピースに自信を持っていた九電が敵陣22メートル内で何度もペナルティをもらったがショットを選択せず、トライにこだわり、スクラムで優勢となってショートサイドを攻め、再逆転。中国電力は終盤にイエローカードをもらいながらも奮闘したが、インジャリータイムにも失点し、九州制覇とはならなかった。
 神辺光春監督は「九電さんの圧力を受けてしまってボールをキープできなかった」と悔しさをにじませた。しかし、「ディフェンスはひとりひとり身体を張っていたし、すぐにアライブして次のプレーに動けていた」と選手たちの奮闘を称える。「ひとつひとつ積み重ねてきた歴史があって、選手が昨年(キュウシュウ4位)の悔しさをバネにしたことも成長につながっていると思う」
 染山主将は「自分たちの強みであるボールを動かすラグビーができなかった。負けたが、次(トップチャレンジ2で)勝てばもう1回できるチャンスがあるので、切り替えたい」と語った。
 九電側も再戦は望むところだ。中?憲章キャプテンは同級生の染山キャプテンに「絶対勝ち上がってきてくれ」とエールを送った。「リーグ戦で1回負けてるんで、3度目の勝負がしたい」。瓜生丈治監督は「同じリーグのなかに、日本人だけで戦ういいライバルチームがいることは我々を成長させてくれている。ましてや同じ電力会社の仲間なので、できることならばトップチャレンジ1という舞台に電力会社が2社出て、仕事とラグビーを両立している日本人選手だけのチームの覚悟や心意気をお互いに見せていけたらと思う。トップチャレンジ2を勝ち上がってもらって、また一緒に戦いたい」と語った。
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