日本ラグビーフットボール協会は11月10日、都内で会見を開き、2016年10月31日付けで、男子セブンズ日本代表・瀬川智広ヘッドコーチと女子セブンズ日本代表・浅見敬子ヘッドコーチの退任を発表した。
今夏おこなわれたリオデジャネイロオリンピックのレビューと、2020年に迎える東京オリンピックでのメダル獲得を見据えた際に、次のステップを踏み出す必要があると判断し、両名と話し合った結果、退任することになったという。
瀬川氏の後任には、男子セブンズニュージーランド代表のアシスタントコーチだったダミアン・カラウナ氏が就任し、女子のヘッドコーチについては当面の間、女子7人制日本選抜の稲田仁ヘッドコーチが代行を務める。
男子セブンズ日本代表はリオ五輪で優勝候補のニュージーランドを破るなど、金星の連続で4位入賞を果たし、世界を驚かせた。2012年4月から指揮してきた瀬川氏は、「東京五輪でメダルを獲ることが私の次の目標でした。その意欲のなかで退任を告げられたことは正直残念に思いました」とコメント。リオ五輪でメダルを獲得できなかったという結果は真摯に受け止めるとし、「自分の本心は現場に拘りたいという気持ちが強くあり、私の夢はオリンピックでセブンズ日本代表がメダルを獲ることです。この情熱は誰よりも持っていると自負しております。まだまだ勉強してチャンスがあれば、またセブンズの現場に戻ってきたいと思います」と語った。
同じく2012年から女子セブンズ日本代表を任された浅見氏は、世界一のフィットネスを重要テーマに掲げて徹底的に鍛え、就任当時はアジアで5位だったチームをアジアナンバーワンのチームにまで引き上げ、リオ五輪出場を果たした。
「2012年よりヘッドコーチの大任を拝し、振り返ることなく、金メダルに向かって走り続けて参りました。リオデジャネイロ五輪の結果(10位)は一重に私自身の力不足です」と浅見氏。「しかし、初めての五輪を経験し、多くの女子ラグビー選手がアスリートに進化したことは、2020年の東京五輪へのベースになったと信じております。この貴重な時を、ラグビーファンの皆様、関係者の皆様はじめ多くの方々に応援していただきました。心より感謝申し上げます」とコメントした。
本城和彦セブンズディレクターは瀬川ヘッドコーチと浅見ヘッドコーチについて、「メダルには届かずも、2人が残した実績は高く評価している。しかし、東京五輪でメダルを獲得するためには、新しい知見、視点を採り入れること、世界の潮流を知っている人物が必要と判断した」と語った。