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男子7人制日本代表の新指揮官は名将のセブンズ知る男! 女子は稲田氏が代行

2016.11.10

男子セブンズ日本代表HCに就任したダミアン・カラウナ氏。写真は2013年来日時(撮影:松本かおり)

 東京オリンピックでのメダル獲得に向けて、日本ラグビーフットボール協会はセブンズ日本代表ヘッドコーチを男女とも替えることを決めた。
 男子代表をリオ五輪4位に導いた瀬川智広氏と、サクラセブンズというブランドを築いた浅見敬子氏は退任。男子のヘッドコーチには、オールブラックス・セブンズ(男子7人制ニュージーランド代表)でアシスタントコーチを務めていたダミアン・カラウナ氏(41歳)が11月1日付で就任し、浅見氏の後任は当面の間、今年のアジアセブンズシリーズで女子7人制日本選抜を指揮して総合優勝に導いた稲田仁氏(33歳)がヘッドコーチ代行を務める。
 カラウナ新ヘッドコーチの契約期間は2016年11月から2018年5月まで。
 カラウナ氏は元セブンズニュージーランド代表選手であり、スーパーラグビーのハリケーンズやチーフスでもプレー、2003年から2シーズンはサニックス(現 宗像サニックスブルース)で活躍した。その後、ヨーロッパで競技者生活を終えたあとコーチの道へ進み、ウェールズのオスプリーズやスウォンジーで経験を積んだ。そして2012年5月に休暇で母国に帰り、テレビのラグビーショーで男子セブンズニュージーランド代表ヘッドコーチのゴードン・ティッチェン氏と再会し、「手伝ってくれ」とオファーを受け快諾。セブンズの指導者として初めてIRB(国際ラグビーボード/現ワールドラグビー)の殿堂入りを果たした名将のもとで、今年のリオ五輪まで、スキルコーチ、ディフェンスコーチ、分析を担当していた。
 本城和彦セブンズディレクターは、「ゴードン・ティッチェン ヘッドコーチのもとで長く経験を積んできたし、強い時代のニュージーランド代表も知っていれば、同代表がどうして勝てなくなったかも知っている。そういうものを指導に活かしてほしい」と期待を寄せた。
 岩渕健輔・日本代表ゼネラルマネージャーは、「男子セブンズニュージーランド代表の選手として、またスタッフとして、ワールドラグビーセブンズシリーズ優勝経験があり、瀬川ヘッドコーチ体制の4年間で作り上げた日本のセブンズ文化に、グローバルなアプローチを加え、男子セブンズ日本代表を新たなステージに引き上げてくれると期待しております」とコメントした。
 新生の男子セブンズ日本代表は、12月2日にキックオフとなるワールドラグビーセブンズシリーズ2016−2017の第1ラウンド、ドバイ大会が初陣となる。
 カラウナ新ヘッドコーチは、「日本代表は人を興奮させるようなプレースタイルで知られており、東京五輪に向けて突き進むチームの手伝いができることを楽しみにしています。新しい選手たちを育成し、また、ワールドラグビーセブンズシリーズで一貫性のある結果を出して、成長していかなければなりません。日本のラグビーは今、ワクワクする時を迎えています」と現在の心境を語った。
 一方、稲田氏はこれまで、女子セブンズ日本代表各カテゴリーの指導に3年間尽力し、ユース年代でのアジア制覇、代表チームのオリンピック出場に大きく貢献してきた。
 本城氏は、「将来有望な指導者で、マネジメントできる力も持っている」と評価しながらも、海外の指導者と交渉を進めているのも事実と認め、「来年の4月におこなわれる香港セブンズ、北九州でのウィメンズ・セブンズシリーズの前までには(新ヘッドコーチを)決めたい」とコメントした。
 稲田ヘッドコーチ代行は、「2020年東京五輪でメダルを獲得し、皆様に感動や勇気を与えることのできるチームになるために、『変えなければいけないこと』、『変わらず大切にすること』の両方を大事に、変化を恐れず一つひとつ取り組んでいきたいと思います」と意気込みを語った。