気軽におこなえるラグビー体験の場を作る活動を続けてきたストリートラグビー。2015年7月に産声を上げて1年あまり、主催の「ストリートラグビーアライアンス」は一般社団法人としての登記完了を機に、10月30日、その発表と記念法要を東京・浅草寺で開催した。
法要には、同法人の代表理事に就任した文部科学大臣補佐官の鈴木寛氏、日本ラグビー協会理事・山本巧氏、ワールドカップ2019組織委員会事務総長代理・鶴田友晴氏や、駐日英国大使、ニュージーランド大使らも参加。ストリートラグビーの今後の発展と参加者の安全、また日本ラグビーの今後の発展と、ワールドカップ日本大会の成功などを祈願した。
直近でも日産スタジアム、新宿歌舞伎町とさまざまな場所でさまざまな年齢・職業・国籍の人たちが参加してきたが、今回は浅草寺境内に人工芝を敷設し、住職も参加。俊敏な動きに歓声が上がった。
代表理事の鈴木氏も「寺社仏閣にラグビーボールがあるのは日本ならではの光景」とし、ワールドカップ日本大会に向けて、なお一層のラグビーの認知度向上・普及だけではなく、日本全国の特徴を生かしたまちづくりや地域コミュニティづくりにもつなげたいとの活動目的を説明した。
今後は独自のインストラクター制度を設け、全国にストリートラグビーのイベントを主催できる「シティーアライアンス」を作っていきたいという(アライアンスは提携、連合といったニュアンス)。その入り口として、35歳以上を対象とする「CONCEPT OVER35」、17歳から35歳未満を対象とする「MAKE OUR DREAMS HAPPEN SINCE 17」というコンセプトに基づいたメンバーを、今後の活動やホームページ上で募集していくとのこと。なお、これらの登録にラグビーの競技経験や性別等は不問。同団体としては、インストラクター制度を通じて、これまで重視してきた安全性の担保をはじめとするイベントとしての質・内容を一定の水準に保ちながら活動を拡げていきたい意向だ。
また、ラグビーボールそのものの普及を目指して寄付を呼びかけるプロジェクト「GRASS ROOTS ZERO TO ONE 2019」も発表。ワールドカップ日本大会の成功はもちろん、ラグビーが一時的なブームではなく、継続した文化として人気を獲得していくためにも、こうした草の根レベルの活動が重要になってくるはずだ。組織として継続的に活動を続けていくため、まだまだ課題もあるようだが、今後の展開に期待したい。
日本だけでなく世界中の観光客が訪れる浅草寺。外国人の飛び入り客も体験会に参加した。