アイルランド中が突然の訃報に悲しんだ。同国の強豪チーム・マンスターは10月16日、ヘッドコーチのアンソニー・フォーリー氏が遠征先のパリのホテルで亡くなったと発表した。42歳だった。死因は明らかにされていない。
ヨーロピアンラグビー・チャンピオンズカップが幕を開け、マンスターがラシン92と第1戦をおこなうはずだった日曜日の午後、キックオフの数時間前にそのショッキングなニュースは伝えられた。マンスターは対戦相手のラシン92や大会運営団体などの理解を得て、同試合は延期となった。
フォーリー氏はマンスターラグビーの“ハート・アンド・ソウル”といわれ、偉大なリーダーだった。
マンスター地方のリムリック州出身。身長190センチ、体重110キロを超す大きな体で選手時代はバックローで活躍し、1995年のプロデビュー以来、マンスター一筋で200試合以上に出場、2006年にはキャプテンとしてハイネケンカップ(現ヨーロピアン・チャンピオンズカップ)初優勝の栄冠を掲げた。アイルランド代表で62キャップを重ね(キャプテンとして3試合)、1995年と2003年のワールドカップにも出場した。
引退後、2011年にマンスターのFWコーチ就任。2014年にヘッドコーチに昇格し、指揮して3年目の今シーズンは6季ぶりのプロ12(かつてのケルティックリーグ)制覇と9季ぶりの欧州タイトル奪還を目指していた。
しかし、チームの仲間だけでなく、妻と2人の息子をおいて天国へと旅立った。
「深い悲しみとともに、私たちは今日、我々のコーチであり、元主将、同僚、そして友人に別れを告げた。安らかに眠ってくれ、アンソニー・フォーリー」
マンスターラグビーは哀悼の意を表し、パリの試合会場外に集まったファンたちはアイルランドのスポーツサポーターたちに広く親しまれているフォークソング『ザ・フィールズ・オブ・アセンライ』を捧げた。
マンスターの主将だった2006年、ハイネケンカップのトロフィーを掲げるアンソニー・フォーリー
(Photo: Getty Images)