ジャパンラグビートップリーグは10月15日に第7節の5試合がおこなわれ、開幕から負け知らずのヤマハ発動機とサントリーはこの日も勝って7連勝、豊田自動織機は東芝を下し今季初勝利をあげた。大阪ではクボタとリコーが接戦を制し、勝点を伸ばしている。
ホームの静岡でHondaと対戦したヤマハは、47−25で勝利。
序盤にFBゲラード・ファンデンヒーファーのトライで先制すると、13分にはフェイズを重ねてWTBハビリ ロッキーがゴールラインを割った。
その後、相手にPGを2本決められたが、34分にはラインアウトからの攻撃でWTB伊東力が抜け、リードを拡大。伊東は前半終了前にも敵陣10メートルライン手前から突破してそのままゴールに持ち込み、26−6で折り返した。
ヤマハは後半早々、ラインアウトでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、ワイドに回してWTB伊東のハットトリック。27点差とした。
最下位脱出へ向け簡単にはあきらめないHondaはその後、7人制での活躍に続いて15人制でも日本代表入りを目指すレメキ ロマノ ラヴァなどが好走し、3トライを返したが、ヤマハは取られたらすぐに取り返して計7トライをあげ、ボーナスポイントも獲得した。
ヤマハは7勝0敗(総勝点34)で首位をキープ。Hondaは唯一の未勝利チームで7連敗(総勝点2)。
サントリーは千葉・柏の葉公園総合競技場でNECと対戦し、33−14で勝った。
サントリーは前半8分、ラインアウトからの攻撃でCTBナイジェル・アーウォンが突破し先制。18分過ぎにはSO小野晃征が放ったピンポイントのキックパスをWTB竹下祥平がインゴールに押さえ、追加点をあげた。33分には右への展開からWTB中?隆彰が抜け出し、19−0で前半を終える。
48分(後半8分)には敵陣22メートルライン内のスクラムで優勢となり、持ち出したNO8ツイ ヘンドリックからオフロードパスをもらったFB松島幸太朗がゴールに持ち込み、リードを広げた。
その後、粘るNECに2トライを奪い返されたサントリーだったが、ロスタイム、ゴール前でのスクラムを押してボールをコントロールしたNO8ツイがインゴールに押さえ、チーム5トライ目をあげてボーナスポイントも獲得している。
7連勝と好調のサントリーは総勝点32でヤマハとは2ポイント差。NECは連敗で2勝5敗(総勝点9)となった。
豊田自動織機は地元の愛知・ウェーブスタジアム刈谷でようやく笑顔がこぼれた。トップリーグで強豪の東芝を倒したのは初めて。いったんは15点差をひっくり返されたものの、ラストアタックでチームの執念がWTB松井謙斗の逆転トライを生み、27−22で歓喜に沸いた。
豊田自動織機は前半、FBマーク・ジェラードが自陣からのカウンターで約70メートル独走するなどし、17−5とリードして折り返した。
後半早々にもPGを決めて15点差としたが、東芝が徐々に追い上げ、豊田自動織機がシンビンで数的不利だった75分、東芝はハーフウェイ付近のPKから速攻で敵陣深くに入り、日本代表候補のSO田村熙がカットインで抜けて同点トライをあげ、コンバージョン成功で逆転した。
しかし、豊田自動織機は終了間際にゴールラインに迫り、FWがパワープレーの連続でアドバンテージを得、SH木村貴大からのパスを左サイドでもらったWTB松井謙斗が1対1の状況で振り切ってインゴールに飛び込み、劇的な逆転決勝トライで今季初勝利をつかんだ。
豊田自動織機は1勝6敗(総勝点6)。東芝は4勝3敗(総勝点19)となり、プレーオフがない今シーズンの優勝は厳しくなった。
東大阪市花園ラグビー場では2試合がおこなわれ、クボタは宗像サニックスを28−27で下し、リコーは近鉄に31−24で逆転勝ちした。
クボタとサニックスの試合は14−14で折り返し、後半早々、クボタはゴールラインを背負うピンチだったがブレイクダウンでターンオーバーし、カウンターで次々とつないでFB合谷和弘が95メートルアタックをフィニッシュした。
その後、サニックスにPGで得点を重ねられたが、1点差となった直後(74分)のリスタートでサニックスがキックオフボール確保に失敗し、クボタのCTBマット・サンダースが大きなトライをあげて8点差に広がった。
78分、サニックスはFBジェイミージェリー・タウランギが右サイドを突破してゴールに持ち込み、コンバージョン成功で再び1点差としたが、残り時間で逆転することはできず、クボタが激闘を制した。
クボタは3勝4敗(総勝点13)、サニックスは4勝3敗(総勝点17)となった。
リコーはアウェイで逆転勝ちし、連敗ストップだ。
前半は近鉄がリード。後半も先に点を取られ、7−24と17点を追う展開となったリコーだが、57分、モールから持ち出したHOマウ ジョシュアがゴール右隅に飛び込み、反撃の口火を切る。
62分にはラインアウトからのサインプレーが決まってゴールに迫り、FL柳川大樹が5点差に詰めるトライをあげた。そして75分にはゴール前のピック&ドライブで途中出場HO森雄基がインゴールに突っ込み、コンバージョン成功で逆転。試合終了間際には、日本代表合宿に招集された注目のCTBアマナキ・ロトアヘアがタックル後、自らボールを奪い返してゴールへ走り切り、勝利を引き寄せた。
リコーは3勝4敗(総勝点14)、近鉄は連敗で2勝5敗(総勝点11)となっている。
リコーのアマナキ・ロトアヘアを止めようとする近鉄の選手たち(撮影:松村真行)