1年前の南アフリカ撃破は長く語り継がれるものだけど、ある意味、その想い出の中ばかりで生きるのはそろそろ終わりにしよう。そういう会だったかもしれない。
ブライトンの歓喜からちょうど1年。ワールドカップ2019大会の開幕までちょうど3年。9月20日は、そんな日だ。だから東京・赤坂で催された第66回みなとスポーツフォーラムは「ラグビーワールドカップ2019日本大会まで、あと3年。JAPAN RUGBY、夢の続きへ。」とのタイトルだった。
ステージの上に立った選手たちは、大野均、田中史朗、山田章仁、畠山健介、堀江翔太、アマナキ・レレィ・マフィ。進行役の村上晃一さん、矢野武さん、ゲストの大畑大介さん、吉木りささんとともに、昨年ワールドカップの映像を見たり、この先の日本ラグビーについて話したり、ファンを楽しませる90分だった。
大野が南ア戦前の国歌斉唱時のことを思い出した。
「3度目のワールドカップでした。また、この舞台に帰ってこられたな、と思っていました」
山田がこの1年間を振り返る。
「ラグビー人気がもっと盛り上がるように、自分にもできることがあれば。そう思って頑張ってます」
畠山も続いた。
「(昨年の)大会前は毎日がこんなに長いのか…と思っていましたが、この1年はあっという間」
夢のようなことをやってのけ、日本ラグビーの空気をガラッと変えた男たちの思いが伝わってきた。
楽しい時間が続く中、会場の空気を引き締めたのが田中だった。南ア戦の映像を見たあとだった。
「こんな感動する試合に関われたことを誇りに思います。ただ、それだけに2019年に向けて新しい日本代表を、新しい道を作っていかないといけないと思いますね」
前を見て前進しないと、せっかく手にした栄光さえ輝きを失ってしまう。そう言いたかった。
堀江が会の最後を締めた。
「あと3年しかない。選手としては一日一日成長していきます。ラグビーを広めていきます。みんなで一日一日を大切に過ごしましょう」
荒天にもかかわらず足を運んだファンに、ラグビーファミリー全体でスクラムを組もうと呼びかけた。