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セブンズの伝説的名将、ティッチェン氏が退任! NZは新たな時代へ

2016.09.06

リオ五輪の5位・6位決定戦でアルゼンチンに勝ったあとのゴードン・ティッチェン氏。 この試合が、22年におよんだオールブラックス・セブンズHCとしての最後の指揮となった (Photo: Getty Images)

 セブンズの神様とも言われた名将が、22年におよんだ航海を終えた。
 ニュージーランドラグビー協会は9月6日、同国男子7人制代表“オールブラックス・セブンズ”のヘッドコーチを1994年から務めてきたゴードン・ティッチェン氏(60歳)が退任すると発表した。
 ティッチェン氏は4年前に同協会と契約を更新したとき、2016年のオリンピックを集大成にして、長きにわたったコーチングキャリアを終えるつもりと語っていた。
 しかし、金メダル候補として臨んだリオデジャネイロオリンピックだったが、過去一度も負けたことがなかった日本に初戦で敗れ、辛うじて準々決勝に進んだものの好敵手のフィジーに屈し、国民を失望させていた。
「新しいアイデアを持った誰かがニュージーランドチームを担当すべき時」とティッチェン氏は語った。
 オリンピックのメダルは手にできなかったが、彼はオールブラックス・セブンズを指導した22年間で100大会以上戦い、数々の功績を残した名将であることは間違いない。
 1999年から始まったワールドセブンズシリーズにおいて、最多12回のシーズン優勝に導いた。4年に一度開催されるコモンウェルスゲームズ(英連邦総合競技大会)では4連覇を遂げ、2001、2013年のワールドカップ・セブンズでも栄冠を獲得した。
 2010年にニュージーランド年間最優秀コーチ賞を受賞。2012年にセブンズの指導者として初めてIRB(国際ラグビーボード/現ワールドラグビー)の殿堂入りを果たし、2013年には「サー」の称号で呼ばれるナイトの爵位を贈られた。
 生まれつきの負けず嫌い。自分に厳しい人で、その人間性と指導力は選手たちから尊敬され、ジョナ・ロムー、クリスチャン・カレン、ジョー・ロコゾコ、ベン・スミス、DJ・フォーブスなど、多くのスターを育てあげた。
 指揮官の座からは退くが、ティッチェン氏はこれからも何らかの形で大好きなセブンズにかかわりたいという。
 ワールドセブンズシリーズの2016−2017シーズンは12月のドバイ大会から始まることになっており、オールブラックス・セブンズは新たなヘッドコーチのもとで再出発する。そして遠くに見据えるのは、2020東京オリンピックでの雪辱だ。
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