ラグビーリパブリック

NTTコム金主将11月復帰へ。トヨタ安藤主将は“同僚FL”との対戦楽しみ

2016.08.24
日本代表合宿での金正奎(右)と安藤泰洋(撮影:見明亨徳)
 8月26日に開幕する2016−2017トップリーグ。23日に都内で「プレスカンファレンス」が開かれ、会場には参加16チームの首脳陣・主将が参加。その中、春シーズンを日本代表、スーパーラグビーのサンウルブズでともに戦い、デビューを果たしたフランカー2人も姿を見せた。
 NTTコミュニケーションズシャイニングアークスの主将、金正奎(きん・しょうけい)と、トヨタ自動車ヴェルブリッツの安藤泰洋主将だ。金は「チャレンジの1年になる。タフな戦いを戦っていく」と宣言した。
 金は今春、5月7日、アジアラグビーチャンピオンシップの香港代表戦で念願の初テストキャップを得ると、以降は日本代表に定着。スコットランド代表との2戦も7番で先発し、6キャップへ伸ばす。そして、その活躍により、スーパーラグビー日本チームのサンウルブズにも追加招集された。
 サンウルブズの国内最終戦、ワラターズ戦(第15節7月2日)でリザーブの20番を背負い、後半にデビューした。しかしここまで順調だった春も、危機が訪れた。
 翌週、南アフリカに遠征した第16節のブルズ戦。後半30分すぎにタックルを受けてうずくまった。左ひざを負傷し退場、ひとり南アを去った。そして帰国後、手術しリハビリに専念する。
 トップリーグカンファレンスで金はいつも通りに前向きだった。
「リハビリは順調に進んでいます。11月に復帰したい」と明かした。ケガをしたときは「これもいい経験。努力するきっかけになる」。
 チームは名将ロブ・ペニー ヘッドコーチが3年目の指揮を執る。自身も3年目で指揮官とともに歩んできた。
「ロブの3年間、成長をしている。今年は2年目の小倉(順平、SO)、中島(進護、LO)、石橋(拓也、CTB)を見てください」と後輩たちをアピールした。
 トヨタの安藤は、金よりも一足早くサンウルブズからデビューした。4月23日、秩父宮ラグビー場での対ジャガーズ。サンウルブズが唯一勝った試合(36−28)にリザーブの20番をつけて後半からピッチに立った。
 翌週30日のアジアチャンピオンシップ、韓国代表戦で日本代表デビューし、キャップも得る。すぐにサンウルブズへ戻ると、5月7日のフォース戦から20番をつけ、ワラターズ戦で7番、替わりにグラウンドへ入ったのは20番の金だった。ブルズ戦でも安藤→金の順。安藤はサンウルブズで7試合出場、日本代表ではカナダ代表戦も7番で先発し、計2キャップを得た。
「個人としてはサンウルブズ、代表に呼ばれ、トヨタのメンバーよりもたくさん試合ができて良い状態」と話す。
 トヨタ自動車は7月下旬にスーパーラグビーのチーターズと対戦し、「ほかのチームでは経験できないプレシーズンを過ごした。十分やっていける」と手ごたえをつかんでいる。
 トップリーグでは、日本代表とサンウルブズで世界と戦ってきた仲間と覇権を争う。
「同じポジションの金、細田(佳也、NECグリーンロケッツ)、村田(毅、NEC)と戦えるのは楽しみ」。そしてライバルから勝利をつかむ。
 今季トップリーグ初戦、NTTコムは神戸製鋼とぶつかり、トヨタ自動車は豊田自動織機とのダービーでスタートする(ともに8月27日)。両チームの対戦は10月16日。金の予定より少し早い復帰が望まれる。
 そして金が希望する復帰の「11月」は、国際試合のウインドウマンスの時期だ。
 日本代表は欧州遠征でジョージア代表(12日)、ウエールズ代表(19日)、フィジー代表(26日)と相対する。金は「今は代表よりも前回の自分を超える形で復帰することを意識しています。そこにいろんな結果が付いてくると思う」と話す。
 2人が再びサクラのジャージーでワンチームになることを待つ楽しみもある。
(文:見明亨徳)

トップリーグカンファレンスでのNTTコム・金正奎(写真右/撮影:見明亨徳)

トヨタ自動車のキャプテンを務める安藤泰洋(写真前列右/撮影:見明亨徳)

4月の日本代表合宿。写真手前はFL対面の金(右)と安藤(左)
(撮影:見明亨徳)
Exit mobile version