力走する南アのNO8ホワイトリー(左)と、タックルするアルゼンチンのHOクレービー主将
(Photo: Getty Images)
南半球4か国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」で7年ぶりの優勝を目指す南アフリカが、昨年のワールドカップ3位決定戦で競った相手にホームで苦しみながらも、白星発進した。
ムプマランガ州のネルスプロイトで20日におこなわれた2016年大会の初戦、スプリングボックスの愛称で知られる南ア代表は、アルゼンチン代表“ロス・プーマス”と対戦し、30−23で勝利。一部の選手を除いて、ジャガーズとして初めてタフなスーパーラグビーを経験し強化してきたアルゼンチン代表は、2年連続アウェイでの金星を狙い、10点リードで終盤を迎えたものの、2015ワールドカップの銅メダルチームであるスプリングボックスがラスト10分間で2トライを挙げるなどして逆転し、南米のチャレンジャーを下した。
昨年8月、アルゼンチンに初めて負けたあと、当時の南ア代表指揮官(ハイネケ・メイヤー)は国民に謝罪をしたが、アリスター・クッツェー新ヘッドコーチはかろうじて矢面に立たずにすんだ。
南アは前半7分、SOエルトン・ヤンチースがブレイクスルーしたあと速いリサイクルで右を攻め、WTBルアン・コンブリンクのトライで先制した。
その後、互いにPGでスコアボードを動かし、アルゼンチンはWTBマニュエル・モンテーロが危険なタックルで10分間の退出となってしまったが、1人少なくなった南米の男たちは逆に火がつき、ゲームをひっくり返す。23分にPGで4点差とすると、アルゼンチンはリスタートから再び果敢に攻め、FBホアキン・トゥクレットのゲインで敵陣22メートルラインに近づき、サポートも速く、テンポよく右へ回してCTBマティアス・オランドが逆転トライを挙げた。
追う立場となった南アは、33分にCTBライオネル・マプーがゴールラインを越えたもののグラウンディング寸前に落球し、38分にはPGでの同点チャンスがあったがSOヤンチースのキックは不調で、10−13のまま前半を終えた。
後半、両チームともショットで3点ずつ加え、迎えた66分(後半26分)、リードを広げたいアルゼンチンはカウンターでWTBモンテーロが大きくゲインして敵陣深くに入り、連続攻撃、スクランブルディフェンスで耐えようとした南アだったが、アルゼンチンのSOニコラス・サンチェスがキックでボールを裏に出し、WTBサンティアゴ・コルデーロがトライを挙げた。コンバージョンも決まり、13−23となる。
しかし、ホームで負けられない南アは意地を見せた。
70分、敵陣22メートルライン内でのスクラムから、SHファフ・デクラークが果敢にランで仕掛けてディフェンダーを3人引きつけたあと内に返し、パスをもらったFBヨハン・フーセンが抜けてファンを沸かせた。
73分にPGで同点。
そして23−23で迎えた78分、敵陣深くに入った南アはラインアウトから攻め、FLヤコ・クリエルが中央で粘ってタテを突いたあと、左へすばやく方向チェンジ、外にスペースができたところをWTBブライアン・ハバナ―NO8ワーレン・ホワイトリーとつなぎ、ホワイトリーがゴール左隅に飛び込んでこれが決勝点となった。
シドニーでおこなわれた開幕節のもう1試合は、ワールドカップチャンピオンのニュージーランド代表がオーストラリア代表を42−8で下している。
第2節も同じ対戦カードとなり、南ア代表とアルゼンチン代表は次週、南米のサルタに移動して再び激突する。