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4年後の東京につなぐ大奮闘! セブンズ男子日本、南アに完敗で4位

2016.08.12
メダルの夢は4年後に東京で。リオで大きな経験をした合谷和弘。3位決定戦でもトライを決めた
(Photo: Getty Images)
 瀬川智広ヘッドコーチ率いる男子セブンズ日本代表が、2016リオデジャネイロオリンピックですべてを出し尽くし、戦いを終えた。メダルには惜しくも届かなかった。現地時間8月11日、準決勝でフィジーに敗れたあと3位決定戦に進み、南アフリカに挑んだが14−54で完敗を喫した。
 世界の強豪が集うワールドセブンズシリーズでなかなか上位に食い込めず、1年前にはコアチームから降格(今春、再昇格)した日本。しかし、徹底的に鍛え上げ、自分たちを信じて存分に力を出し切ることができた男たちは、オリンピックという最高の舞台で世界を驚かせた。初戦で、2013ワールドカップ・セブンズのチャンピオンであるニュージーランド(ワールドシリーズで総合優勝12回)から大金星を奪い、同じく強豪のケニア、フランスも倒しての4強入り。
 ラグビーファンだけでなく、日本の多くの人々が男子セブンズ日本代表に注目し、銅メダルを期待した。
 だが、南アフリカもまた、強かった。
 試合開始40秒、南アが先制する。縦へ突いたカイル・ブラウン主将とサポートしたクワッガ・スミスがオフロードパスの連続でつなぎ、ジュアン・デヨーンがゴールに運んだ。
 2分過ぎ、今大会で大活躍した後藤輝也がタックルを受けた際に負傷し、フィールドから退く。日本にとっては嫌な流れだった。
 3分にはブレイクダウンでターンオーバーされ、スピードある南アのロスコ・スペックマンが個人技で防御網を切り裂き、追加点を挙げた。
 ようやく日本のターンとなったのは7分だった。彦坂匡克が接点で激しくファイトし、ペナルティを得る。敵陣深くのラインアウトとなり、レメキ ロマノ ラヴァが前進、すばやいリサイクルから、ボールをもらったキャプテンの桑水流裕策が力強く突進し、インゴールにねじ込んだ。
 だが、前半終了前に南アがトライを追加し、7−21で最初の10分間を終えた。
 早めに点差を詰めたい日本は後半早々、福岡堅樹が自陣深くから鋭いステップワークで中央を切り裂いたあと合谷和弘につなぎ、同じく俊敏な合谷が抜け出して50メートル以上走り切り、14−21と7点差にした。
 しかし、その後は南アのトライラッシュとなる。
 2分、2011年のワールドラグビー年間最優秀セブンズ選手であるセシル・アフリカが自陣10メートルライン付近からブレイクスルーし、リードを広げた。5分にはハーフウェイ付近のブレイクダウンでターンオーバーし、またもセシル・アフリカがタッチライン沿いを駆け抜けた。7分には日本のロストボールからカウンターアタックで連続得点。8分過ぎにも日本の落球から南アがトライを挙げ、勝負は決まった。
 最後は得点で終わりたかった日本だが、試合終了前、フィールドに戻っていた後藤が自陣深くでインターセプトを狙ったが反則をとられイエローカードとなり、人数が減ったところを南アに突かれて8トライ目を許し、完敗。彼らのリオ五輪は終わった。
 メダルには届かなかった。それでも、堂々の世界4位だ。歴史を変えた。輝かしい金字塔だ。4年後の東京オリンピックにつなげる、男子セブンズ日本代表のすばらしい奮闘であった。
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